
顔にできものができると、見た目が気になるだけでなく、「これは何だろう?」「放っておいても大丈夫?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。ひとことで「顔のできもの」といっても、その種類はじつに多様で、原因も治療法もまったく異なります。正しい知識を持っておくことは、適切なタイミングで医療機関を受診するためにも、自己判断で悪化させないためにも大切なことです。この記事では、顔にできるできものの種類ごとに特徴・原因・治療法をわかりやすく解説します。
- ✅ 顔のできものの種類と見分け方がわかる
- ✅ 自己処置がNGな理由と正しい対処法がわかる
- ✅ 受診すべきタイミングの判断基準がわかる
- ✅ 各症状に合った治療法と選び方がわかる
- 🔸 自己処置で炎症・感染・傷跡が残ることも
- 🔸 悪性腫瘍の発見が遅れる可能性がある
- 🔸 放置してどんどん大きく・増えていくケースも
目次
- 顔にできるできものは大きく分けると何種類ある?
- ニキビ(尋常性ざ瘡)
- 粉瘤(アテローム)
- 脂肪腫
- 稗粒腫(はいりゅうしゅ)
- 脂漏性角化症(老人性イボ)
- 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
- 汗管腫(かんかんしゅ)
- 血管腫・血管拡張
- 基底細胞癌・有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍
- 自分でできものを判断する際の注意点
- 顔のできものの治療法と選び方
- まとめ
この記事のポイント
顔のできものはニキビ・粉瘤・稗粒腫・汗管腫・悪性腫瘍など多種あり、見た目だけでの自己判断は困難なため、自己処置を避け皮膚科・形成外科への早期受診が重要。
💡 顔にできるできものは大きく分けると何種類ある?
顔のできものは、その性質によっていくつかのカテゴリーに分類されます。大きく分けると、炎症性のできもの・嚢腫(のうしゅ)・良性腫瘍・ウイルス性疾患・悪性腫瘍などに分類できます。
炎症性のできものの代表格がニキビです。皮脂の詰まりや細菌感染が関与しており、赤みや痛みを伴うことが多いのが特徴です。一方、嚢腫に分類される粉瘤は、皮膚の内部に袋状の組織が形成されてその中に老廃物が溜まったもので、表面は比較的なめらかです。
良性腫瘍には、脂肪腫・脂漏性角化症・汗管腫・稗粒腫などが含まれます。これらはがん化するリスクが低いとされていますが、見た目の問題や大きくなるリスクもあるため、経過観察や治療が必要になる場合があります。
ウイルス性疾患としてはヒトパピローマウイルス(HPV)が引き起こす扁平疣贅(ウイルス性のイボ)があり、感染するリスクを持っています。そして、顔にできるできものの中には悪性腫瘍が含まれている可能性もあります。特に高齢者に多い基底細胞癌や有棘細胞癌などは早期発見・早期治療が重要です。
見た目だけで種類を正確に判断するのは専門家でも容易ではないことがあります。以下では、各できものの特徴を詳しく解説します。
Q. 粉瘤とニキビの見分け方は?
粉瘤は皮膚の下にできる丸いしこりで、中央に小さな黒い点(臍)が見られるのが特徴です。一方、ニキビは毛穴の炎症が原因で赤みや痛みを伴うことが多いです。ただし見た目だけでの判断は専門家でも難しいため、皮膚科や形成外科への受診が推奨されます。
📌 ニキビ(尋常性ざ瘡)
✅ どんなできもの?
ニキビは、毛穴に皮脂が詰まり、そこにアクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖して炎症を起こすことで生じる皮膚疾患です。思春期に多く発症しますが、20代・30代以降の大人にも「大人ニキビ」として多くみられます。
進行度によって、白ニキビ(閉鎖面皰)・黒ニキビ(開放面皰)・赤ニキビ(丘疹)・黄ニキビ(膿疱)・硬いしこり状のニキビ(結節・嚢腫)に分類されます。思春期ニキビは額や鼻周りのTゾーンに多く、大人ニキビはあご・フェイスライン・頬などに出やすい傾向があります。
📝 主な原因
ニキビの原因は皮脂の過剰分泌・毛穴の詰まり・アクネ菌の増殖が三大要因です。これらを引き起こす背景には、ホルモンバランスの乱れ・睡眠不足・ストレス・間違ったスキンケア・食生活の偏りなどが関係しています。
🔸 治療法
ニキビの治療には、外用薬(アダパレン、過酸化ベンゾイルなど)と内服薬(抗生物質、漢方薬など)が使用されます。重症例にはホルモン療法や保険適用のケミカルピーリングが検討されることもあります。自己流で潰すと瘢痕(ニキビ跡)が残るリスクがあるため、悪化した場合は皮膚科を受診しましょう。
✨ 粉瘤(アテローム)
⚡ どんなできもの?
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができて、その中に角質や皮脂などの老廃物が溜まったものです。医学的には「表皮嚢腫」と呼ばれることもあります。顔・首・背中・耳たぶなど全身に発生しますが、顔では特に頬・おでこ・耳の周辺に多く見られます。
外見的には皮膚の下にできた丸いしこりとして触れられます。中央に「臍(へそ)」と呼ばれる小さな黒い点が見えることがあり、これが粉瘤の特徴的なサインとなっています。大きさは数ミリから数センチと幅があります。
🌟 主な原因
粉瘤の原因は完全には解明されていませんが、毛穴の詰まりや外傷によって皮膚が内側に陥入し、袋状の構造ができると考えられています。誰にでも発生しうる良性のできものですが、放置すると徐々に大きくなることがあります。また、細菌感染を起こすと炎症性粉瘤となり、赤く腫れて痛みを伴う状態になります。
💬 治療法
粉瘤を根治するには外科的な切除が必要です。袋ごと完全に摘出しなければ再発します。炎症を起こしていない状態(非炎症期)での手術が傷跡を最小限に抑えられるため、早めの受診が推奨されます。炎症期には抗生物質の投与や切開・排膿が行われ、炎症が落ち着いてから根治手術を行うことが多いです。
🔍 脂肪腫
✅ どんなできもの?
脂肪腫は皮下脂肪が増殖してできた良性の腫瘍です。顔よりも体幹や四肢に多くみられますが、顔・頬・首・おでこにも発生することがあります。触ると軟らかく・弾力があり・皮膚の上から押すと動く感触があるのが特徴です。痛みはほとんどなく、ゆっくりと大きくなることが多いです。
📝 主な原因
脂肪腫の明確な原因はわかっていませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。中年以降に多くみられ、脂質異常症との関連を指摘する見解もありますが、明確なエビデンスはありません。
🔸 治療法
良性腫瘍であるため、必ずしも治療が必要なわけではありませんが、大きくなって見た目が気になる場合や、圧迫による不快感が生じる場合には外科的切除が行われます。顔の脂肪腫の場合は傷跡の目立たない方法が選択されることが多く、形成外科や皮膚科での対応が一般的です。
Q. 目の下にできる白いプツプツの正体は何か?
目の下にできる白い小さなプツプツは、稗粒腫(はいりゅうしゅ)や汗管腫(かんかんしゅ)の可能性があります。稗粒腫は直径1〜2ミリの白色の小丘疹、汗管腫はエクリン汗腺由来の良性腫瘍です。どちらも悪性化はしませんが、自然消退しない場合は炭酸ガスレーザーや針による医療処置が有効です。
💪 稗粒腫(はいりゅうしゅ)
⚡ どんなできもの?
稗粒腫は、皮膚の表面近くに角質が溜まって生じる小さな白いできものです。直径1〜2ミリほどの白や乳白色の小丘疹で、目の周りや頬・鼻の脇などに多く見られます。特に目の下に複数個できることが多く、触っても痛みはなく、外見上は白いプツプツした状態として現れます。
稗粒腫には、新生児にみられる「一次性稗粒腫」と、成人以降に皮膚の傷や炎症後にできる「二次性稗粒腫」があります。成人の目周りにできるものの多くは、スキンケアによる刺激や皮膚の老化が関与していることがあります。
🌟 主な原因
一次性稗粒腫は汗管や毛包由来の角質が皮膚表面近くに閉じ込められることで生じます。二次性稗粒腫は皮膚のダメージ(日焼け・擦り傷・ニキビ跡・レーザー治療後など)をきっかけに発生することがあります。
💬 治療法
稗粒腫の治療は、針やメスで小さな穴を開けて中の角質を押し出す方法が一般的です。自然消退することもあります。炭酸ガス(CO2)レーザーを用いた治療も行われており、傷跡が残りにくいとされています。自己処理は感染や傷跡のリスクがあるため、医療機関での処置が安全です。
🎯 脂漏性角化症(老人性イボ)
✅ どんなできもの?
脂漏性角化症は、皮膚の表皮細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。「老人性イボ」とも呼ばれ、加齢とともに顔・頭皮・体幹などに増えていくことが多いです。色は薄い茶色から黒褐色まで幅広く、表面がざらざらとした疣贅(いぼ)状になっていることが特徴です。大きさは数ミリから数センチと個人差があります。
盛り上がった形状のものが多いですが、扁平なものもあります。一見すると悪性黒色腫(メラノーマ)と見た目が似ていることもあるため、急に大きくなったり色が変わったりするものは皮膚科での診断が必要です。
📝 主な原因
加齢による皮膚細胞の増殖異常が主な原因とされています。紫外線の長期的な影響も関与していると考えられており、日焼けのしやすい顔や手の甲に多く発生します。遺伝的な要因も一部影響するとされています。
🔸 治療法
液体窒素による冷凍凝固療法が一般的です。炭酸ガスレーザーや電気焼灼法も使用されます。保険適用になる場合もあるため、皮膚科に相談するとよいでしょう。数が多い場合や再発を繰り返す場合は、複数回の治療が必要になることがあります。

💡 扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
⚡ どんなできもの?
扁平疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって皮膚の細胞が増殖して生じる良性のできものです。顔・手の甲・前腕などに好発し、直径2〜5ミリほどの扁平で境界明瞭な丘疹が集まって出現します。色は薄い肌色から淡い褐色で、表面はなめらかなものが多く、脂漏性角化症と見た目が似ていることがあります。
若い女性の顔に多く見られ、鼻の周りやあごのラインに出やすい傾向があります。かゆみを伴うこともあります。搔き傷や剃刀による傷を通じて自己接種(自分の体の他の部位に広がること)が起きやすく、ひげ剃りやエステの施術で広がることもあります。
🌟 主な原因
HPV(特に3型・10型)の感染が原因です。免疫力が低下しているときや、皮膚に傷があるときに感染しやすいとされています。タオルや剃刀の共用などを介して他者に感染することもあります。
💬 治療法
液体窒素による冷凍凝固療法が標準的な治療法です。ビタミンA誘導体の外用薬(レチノイン酸)・インターフェロン局所注射・ヨクイニン(薏苡仁)内服などが行われることもあります。顔への液体窒素治療は色素沈着リスクがあるため、炭酸ガスレーザーや他の治療法が選択される場合もあります。自然消退することもありますが、放置すると広がることが多いため早期治療が望まれます。
Q. 顔のできものが悪性腫瘍かどうか判断するサインは?
顔のできものが急に大きくなった、色や形が変わった、出血・びらん・潰瘍がある、境界が不規則または非対称、複数の色が混在しているといった特徴がある場合は、基底細胞癌や悪性黒色腫などの皮膚悪性腫瘍の可能性があります。これらのサインが見られたら、速やかに皮膚科を受診することが重要です。
📌 汗管腫(かんかんしゅ)
✅ どんなできもの?
汗管腫は、汗を分泌するエクリン汗腺の導管部分が増殖してできる良性の腫瘍です。目の下(下眼瞼)に左右対称に複数個現れることが多く、直径1〜3ミリほどの肌色〜白色・淡黄色の小さな丘疹が並んで見えます。稗粒腫と混同されやすいですが、汗管腫はより硬く・数が多い傾向があります。
思春期以降の女性に多くみられ、汗をかく夏季や入浴後に膨らんで目立ちやすくなるのが特徴の一つです。悪性化することはなく、健康上の問題はありませんが、目の下のプツプツとした見た目が気になって受診される方が多い疾患です。
📝 主な原因
原因は完全に解明されていませんが、遺伝的要因やホルモンの影響(思春期・妊娠期に増えやすい)が関係していると考えられています。ダウン症候群との関連が知られているほか、糖尿病・甲状腺機能低下症などに合併するケースも報告されています。
🔸 治療法
汗管腫の治療には炭酸ガスレーザーが最も一般的に使用されます。フラクショナルレーザーや電気焼灼法が用いられることもあります。目の周囲という部位の特性上、治療には繊細な技術が求められます。数が多い場合は複数回の治療が必要で、再発することもあるため定期的なメンテナンスが必要な場合があります。保険適用外(自由診療)となることがほとんどです。
✨ 血管腫・血管拡張
⚡ どんなできもの?
顔の赤いできものや赤みの原因として、血管腫・毛細血管拡張症・老人性血管腫(チェリー血管腫)などがあります。
老人性血管腫(チェリー血管腫)は鮮やかな赤い丸い点のようなできもので、直径1〜5ミリほどです。40代以降から増え始めることが多く、体幹・顔・首などに多発します。毛細血管が拡張して増殖したもので、良性です。
毛細血管拡張症は、皮膚の表面近くで細い血管(毛細血管)が拡張して赤く透けて見えるもので、鼻の周囲・頬・小鼻などに多く見られます。赤ら顔(酒さ)の症状の一つとして現れることもあります。
🌟 主な原因
老人性血管腫は加齢による血管の変化が関与しています。毛細血管拡張症は、紫外線・温度変化・アルコール・ステロイドの長期使用などが原因として挙げられます。遺伝的な素因も関与しており、特定の疾患(酒さ・遺伝性出血性毛細血管拡張症など)に伴うこともあります。
💬 治療法
血管に選択的に作用するVビームレーザー(パルス色素レーザー)やIPL(フォトフェイシャル)による治療が有効です。老人性血管腫には炭酸ガスレーザーや電気焼灼が使われることもあります。いずれも保険適用外となる場合が多く、クリニックによって治療方針が異なります。
🔍 基底細胞癌・有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍

✅ 顔にできる皮膚がんについて知っておくべきこと
顔のできものには、悪性腫瘍(皮膚がん)が含まれることもあります。代表的なものとして、基底細胞癌・有棘細胞癌・悪性黒色腫(メラノーマ)・メルケル細胞癌などがあります。いずれも頻度は高くありませんが、早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、知識を持っておくことが重要です。
基底細胞癌は日本人の皮膚がんの中で最も多い種類の一つで、転移することは少ないですが局所的に広がります。顔・鼻・目の周囲・頬などに発生しやすく、光沢のある黒褐色〜真珠色のしこりとして現れ、中央が潰瘍状になることがあります。
有棘細胞癌は日光角化症(前がん病変)から進行するケースが多く、顔・耳・唇・手の甲などの日光露出部に生じます。表面がざらざらして赤く、出血しやすいことがあります。
悪性黒色腫(メラノーマ)は色素性の病変で、非対称・境界不明瞭・色のムラがある・直径6mm以上・急速な変化(ABCDE基準)といった特徴があれば要注意です。
📝 受診が必要なサイン
下記のような特徴があるできものは、皮膚科・形成外科で早急に診察を受けることが推奨されます。
- 急に大きくなった
- 色や形が変わった
- 出血・びらん・潰瘍がある
- 痛みやかゆみが続く
- 境界が不規則・非対称
- 複数の色が混在している
これらのサインは悪性腫瘍の可能性を示すことがありますが、良性疾患でも同様の症状が出る場合があります。判断に迷った場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが最も大切です。
Q. 顔のできもの治療に保険は適用されるか?
顔のできもの治療の保険適用は種類によって異なります。ニキビの薬物療法、粉瘤・脂肪腫の外科的切除、脂漏性角化症や扁平疣贅への液体窒素治療は保険診療の対象になりやすいです。一方、汗管腫・稗粒腫へのレーザー治療や美容目的の治療は自由診療となる場合が多く、受診前に医療機関への確認が推奨されます。
💪 自分でできものを判断する際の注意点
🔸 自己判断・自己処置のリスク
インターネットで情報を調べて自己診断することは有益な一面もありますが、顔のできものに限っては特に注意が必要です。見た目が似ていても、全く異なる疾患であることが非常に多く、適切な治療が遅れたり、誤った処置で悪化したりするリスクがあります。
特に以下の行為は避けてください。
ニキビや粉瘤を自分で潰す行為は、細菌感染を広げる危険があり、瘢痕(跡)が残りやすくなります。また、粉瘤は袋を完全に取り出さないと再発するため、皮膚を傷つけるだけで根治できません。イボや脂漏性角化症を削ったり切ったりすることも、出血・感染・瘢痕のリスクがあるほか、悪性腫瘍であった場合に診断が遅れることになります。
⚡ どんなできものでも医師に診てもらうのが安心
「たいしたことないだろう」と放置せず、気になるできものがあれば皮膚科・形成外科・美容皮膚科などを受診することをお勧めします。特に以下の状況では早めに受診しましょう。
- できものが大きくなっている・増えている
- 痛み・かゆみ・出血などの症状がある
- 炎症(赤み・腫れ・熱感)を伴っている
- 色が黒・茶・まだらになっている
- 2〜3週間以上経っても改善しない
- 家族に皮膚がんの既往がある
🎯 顔のできものの治療法と選び方
🌟 治療法の種類
顔のできものの治療法は、種類・大きさ・部位・患者さんの希望によって選択されます。主な治療法を以下にまとめます。
外科的切除
粉瘤・脂肪腫・良性腫瘍の根治に用いられます。局所麻酔下でメスを使って病変を取り出す方法です。切除した組織は病理検査に提出し、悪性の有無を確認します。
レーザー治療
炭酸ガス(CO2)レーザー・エルビウムヤグレーザーなどが稗粒腫・汗管腫・脂漏性角化症・扁平疣贅などに使用されます。Vビームレーザー(パルス色素レーザー)は血管腫・赤ら顔(毛細血管拡張)に有効です。傷跡が小さく・回復が早いというメリットがあります。
液体窒素による冷凍凝固療法
脂漏性角化症・扁平疣贅・尋常性疣贅(いぼ)の治療に広く使われる方法です。超低温の液体窒素を患部に当てて組織を壊死させます。比較的低コストで保険適用となるケースも多いですが、顔への適用では色素沈着が起きることがあります。
電気焼灼法(電気メス)
電流によって組織を焼灼する方法で、小さなできものの除去に使用されます。汗管腫・稗粒腫・老人性血管腫などに行われることがあります。
薬物療法
ニキビには外用薬・内服薬・点滴(重症時)が使われます。扁平疣贅にはヨクイニン内服・レチノイン酸外用・液体窒素などの組み合わせが選択されます。一部の血管腫にはプロプラノロール(βブロッカー)が使用されることもあります。
💬 保険診療と自由診療の違い
顔のできものの治療では、保険が適用される治療と自由診療(保険適用外)の治療があります。
保険診療の対象となりやすいものとしては、ニキビの外用薬・内服薬治療、粉瘤・脂肪腫の切除手術、脂漏性角化症・扁平疣贅への液体窒素治療、悪性腫瘍の切除・検査などが挙げられます。
一方、汗管腫・稗粒腫へのレーザー治療、血管腫へのレーザー治療(症状によっては保険適用の場合あり)、美容目的での治療は、多くの場合自由診療となります。
受診前に「保険診療で対応可能か」を確認しておくと、費用面での見通しが立てやすくなります。
✅ 受診先の選び方
顔のできものの性質や治療目的によって、適切な受診先が異なります。
まず基本的な診断・治療は皮膚科が対応します。ニキビ・イボ・脂漏性角化症・液体窒素治療などは皮膚科の専門領域です。悪性腫瘍の疑いがある場合も皮膚科が窓口となります。
粉瘤・脂肪腫など外科的切除が必要な場合は皮膚科のほか形成外科でも対応しています。形成外科では傷跡を最小限に抑えた縫合技術が発達しているため、顔の目立つ部位のできものの切除には適した選択肢といえます。
汗管腫・稗粒腫・血管腫などでレーザー治療を希望する場合や、美容的観点からの治療を希望する場合には、これらの機器を備えた美容皮膚科・美容外科クリニックへの受診が適しています。
いずれの場合も、複数の医療機関に相談してセカンドオピニオンを活用することも、より適切な治療選択につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、顔のできものを「ニキビだろう」と自己判断して長期間放置した後に受診される患者さんが少なくなく、実際に診察すると粉瘤や汗管腫、稀に皮膚悪性腫瘍であったというケースも経験しています。できものは見た目だけでは種類の判断が難しく、自己処置によって炎症や瘢痕が悪化してからご来院される方も多いため、気になるできものがあれば早めに専門医へご相談いただくことを強くお勧めします。正確な診断のもとで適切な治療を選択することが、お顔の仕上がりと健康の両面を守ることにつながります。」
💡 よくある質問
自分で潰すのはおすすめできません。ニキビや粉瘤を自己処置すると、細菌感染が広がるリスクがあり、瘢痕(跡)が残りやすくなります。特に粉瘤は袋ごと取り出さないと再発するため、自己処置では根治できません。気になるできものは皮膚科や形成外科など専門医への相談が安全です。
ニキビは赤みや痛みを伴うことが多く、毛穴の炎症が原因です。一方、粉瘤は皮膚の下にできる丸いしこりで、中央に小さな黒い点(臍)が見られるのが特徴です。ただし見た目だけでの判断は専門家でも難しいケースがあるため、自己判断せず専門医に診てもらうことをおすすめします。
目の下にできる白い小さなプツプツは、稗粒腫(はいりゅうしゅ)や汗管腫(かんかんしゅ)の可能性があります。どちらも良性ですが、自然に消えないことも多いです。治療は針やメスで内容物を取り出す方法や、炭酸ガスレーザーが用いられます。自己処理は感染リスクがあるため医療機関での処置が安全です。
以下のサインがある場合は悪性腫瘍の可能性があるため、早急に皮膚科を受診してください。①急に大きくなった、②色や形が変わった、③出血・びらん・潰瘍がある、④境界が不規則・非対称、⑤複数の色が混在している。ただし良性疾患でも似た症状が出ることがあるため、自己判断は禁物です。
できものの種類によって異なります。ニキビの薬物療法、粉瘤・脂肪腫の切除手術、脂漏性角化症や扁平疣贅への液体窒素治療などは保険診療の対象になりやすいです。一方、汗管腫・稗粒腫へのレーザー治療や血管腫の一部、美容目的の治療は自由診療となることが多いため、受診前に医療機関へ確認することをおすすめします。
📌 まとめ
顔にできるできものは、ニキビ・粉瘤・脂肪腫・稗粒腫・脂漏性角化症・扁平疣贅・汗管腫・血管腫・悪性腫瘍など、非常に多くの種類があります。それぞれに特徴的な見た目・原因・治療法があり、素人が見た目だけで正確に判断するのは難しいことも少なくありません。
大切なのは、自己判断で放置したり無理に処置したりしないことです。特に、急速に変化するできもの・出血するできもの・色のムラがあるできものなどは悪性腫瘍のサインである可能性があり、早急な受診が求められます。
顔のできものでお悩みの方は、まずは皮膚科・形成外科・美容皮膚科などの専門医に相談することをお勧めします。症状の種類や治療目的に合わせた適切な医療機関を選ぶことで、より確実で安全な治療を受けることができます。自分の肌の状態を正しく知り、適切なケアと治療を選択するための第一歩として、ぜひ専門医への相談を検討してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 尋常性ざ瘡(ニキビ)・粉瘤・脂漏性角化症・扁平疣贅・基底細胞癌・有棘細胞癌などの診断基準・治療ガイドラインに関する情報
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・汗管腫・稗粒腫などの良性腫瘍に対する外科的切除・レーザー治療・形成外科的アプローチに関する情報
- 国立感染症研究所 – 扁平疣贅の原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染経路・疫学・予防に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
