
😨 首にしこりを発見して、不安でたまらない…そんなあなたへ。
「触ると何か丸いものが動く」「いつの間にかできていた」——首のしこりは、放置すると取り返しのつかないリスクがあります。
この記事を読めば、今すぐどの病院に行けばいいかが3分でわかります。読まずに放置するのがいちばん危険です。
💬 「まずどこに行けばいいの?」と迷っていませんか?
首のしこりは原因によって受診すべき診療科がまったく異なります。リンパ節の腫れ・良性腫瘍・悪性疾患(がん)まで原因は多岐にわたるため、自己判断での放置は絶対NG。
目次
- 首のしこりとは?どんな状態を指すのか
- 首のしこりの主な原因一覧
- 首のしこりは何科を受診すればよいか
- 原因別に見る受診科目の目安
- 緊急性の高いサイン——すぐに受診が必要な場合
- 問診・検査ではどのようなことが行われるか
- 受診前に確認しておくべきこと
- 首のしこりを自己判断で放置してはいけない理由
- まとめ
📌 この記事のポイント
首のしこりはまず耳鼻咽喉科か内科を受診するのが基本。原因は感染症・良性腫瘍・悪性疾患など多岐にわたり、痛みがなくても4週間以上続く場合は早期受診が必要。
💡 首のしこりとは?どんな状態を指すのか
首のしこりとは、首の皮膚の表面または皮膚の下に生じた、触れると確認できる固まりや膨らみのことを指します。大きさは米粒程度の小さなものから、数センチを超えるものまでさまざまで、一つだけできる場合もあれば、複数が連なって触れる場合もあります。
しこりの感触も重要な手がかりになります。柔らかくて動く場合は脂肪腫やリンパ節の反応性腫脹のことが多く、硬くて動かない場合は注意が必要なことがあります。また、押すと痛みを感じる「圧痛」があるかどうかも、原因を絞り込む手がかりの一つです。
首には、重要な構造物が多数集まっています。リンパ節、甲状腺、唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)、血管、神経、筋肉、そして咽頭や気管の一部などが密集しており、それぞれの構造物に由来するしこりが生じる可能性があります。
若年層では感染症によるリンパ節腫脹が多い一方、中高年以降では悪性疾患の可能性も考慮する必要があります。性別によっても、甲状腺疾患は女性に多いなど、傾向があります。
Q. 首のしこりはまず何科を受診すべきですか?
首のしこりは、原因が不明な段階ではまず耳鼻咽喉科への受診が推奨されます。耳鼻咽喉科は頭頸部全体を専門とし、内視鏡検査や超音波検査にも対応しているため、原因を効率よく絞り込めます。近くにない場合や発熱など全身症状がある場合は内科も適切な選択肢です。
📌 首のしこりの主な原因一覧
首にしこりができる原因は非常に多岐にわたります。大きく分けると、「炎症・感染症によるもの」「良性の腫瘍によるもの」「悪性疾患によるもの」「先天性・発育性のもの」の4つのカテゴリーに分類することができます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
✅ 炎症・感染症によるもの
首のしこりの中でもっとも頻度が高いのが、リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)です。リンパ節は全身の免疫反応に関わる組織で、細菌やウイルスが侵入した際に免疫細胞が集まって戦うため、腫れることがあります。
風邪や扁桃炎、歯の感染症(歯槽膿漏や智歯周囲炎)、中耳炎、咽頭炎などが起きると、その近くにあるリンパ節が反応して腫れます。これを「反応性リンパ節腫脹」または「炎症性リンパ節腫脹」と呼びます。この場合は原因となる感染症が治れば、しこりも数週間以内に縮小していくことが多いです。
ただし、細菌感染が強くなると、リンパ節に膿がたまる「リンパ節炎」や「頸部膿瘍」に発展することもあります。この場合は発熱や強い痛みを伴うことが多く、早急な治療が必要です。
また、EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)による伝染性単核球症は、若い世代に多く見られ、首のリンパ節が広範囲に腫れるのが特徴です。発熱や咽頭痛、倦怠感を伴うことが多く、血液検査によって診断されます。
猫に引っ掻かれた後に首のリンパ節が腫れる「猫ひっかき病」や、梅毒・HIV感染症などの性感染症もリンパ節腫脹の原因になることがあります。
📝 良性の腫瘍によるもの
脂肪腫は、皮膚の下に脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘍です。柔らかくて滑らかで、指で押すと動く感触があります。痛みを伴わないことがほとんどで、首以外でも背中や腕などにもよくできます。悪性化することはまれですが、大きくなると外見上の問題や圧迫感を生じることがあります。
粉瘤(アテローム)は、皮膚の中に垢や皮脂が袋状に蓄積した良性の腫瘤です。表面に小さな点(毛孔)が見られることがあります。感染すると赤く腫れて痛みが生じます。根治には手術による袋ごとの摘出が必要です。
甲状腺腫瘍(甲状腺結節)は、甲状腺にできる腫瘍です。甲状腺は首の前面、のどぼとけのやや下に位置し、腫瘍ができると首の前面にしこりを感じることがあります。甲状腺腫瘍の多くは良性ですが、一部には悪性(甲状腺がん)のものもあるため、精査が必要です。
唾液腺腫瘍は、耳の下(耳下腺)、顎の下(顎下腺)などにできる腫瘍です。良性のものが多いですが、一部に悪性のものも含まれます。
神経鞘腫(シュワン細胞腫)は、神経の鞘(シュワン細胞)から生じる良性腫瘍です。首の神経走行に沿って生じ、触れると電気が走るような感覚(放散痛)を伴うことがあります。
🔸 悪性疾患によるもの
悪性リンパ腫は、リンパ組織に生じる血液のがんです。頸部(首)のリンパ節が腫れることが多く、痛みを伴わないことが特徴です。発熱、寝汗、体重減少を伴う「B症状」が見られる場合もあります。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大きく分類されます。
頸部リンパ節への転移がんは、口腔(口の中)、咽頭、喉頭、甲状腺、食道などの頭頸部のがんが、首のリンパ節に転移したものです。頭頸部以外でも、肺がん、胃がん、乳がんなどが首のリンパ節に転移することもあります。痛みを伴わず硬く固定したしこりとして現れることが多いです。
甲状腺がんは、甲状腺に生じるがんです。多くは進行が緩やかで予後のよい乳頭がんが占めますが、未分化がんなど進行が速いタイプもあります。声のかすれや嚥下困難を伴う場合は、周囲への浸潤が疑われます。
⚡ 先天性・発育性のもの
正中頸嚢胞(甲状舌管嚢胞)は、胎児期の甲状舌管が遺残してできる嚢胞で、首の正中(まんなか)に生じます。若い人に多く見られ、嚥下時に動くのが特徴です。
側頸嚢胞(鰓嚢胞)は、胎児期の鰓(えら)の名残からできる嚢胞です。首の側方に生じ、10〜30代に多く見られます。感染すると急に腫れて痛みが生じます。
✨ 首のしこりは何科を受診すればよいか
首のしこりができたとき、最初にどの診療科に行けばよいか迷う方は非常に多いです。結論から言えば、原因が不明な段階ではまず「耳鼻咽喉科」か「内科(一般内科)」への受診が勧められます。ただし、状況によって最適な受診先は変わります。
🌟 まずは耳鼻咽喉科が第一選択
首のしこりを診察するうえで、耳鼻咽喉科は非常に適した診療科です。耳鼻咽喉科の医師は、喉・口腔・鼻・耳などの頭頸部全体を専門的に診察します。首のしこりの原因として多い「リンパ節腫脹」「頭頸部のがん」「唾液腺の異常」「甲状腺疾患(一部)」「先天性嚢胞」など、広い範囲をカバーしています。
耳鼻咽喉科では、ファイバースコープを用いて咽頭・喉頭・鼻腔を内視鏡で観察したり、超音波(エコー)検査でしこりの内部構造を確認したりすることができます。首のしこりの初診として最もスムーズに評価できる診療科の一つといえます。
💬 内科(一般内科・総合内科)でも対応可能
近くに耳鼻咽喉科がない場合や、発熱・全身倦怠感など全身症状を伴う場合は、まず内科を受診するのも適切な選択です。内科医は血液検査や問診によって原因を大まかに絞り込み、必要に応じて専門科へ紹介してくれます。悪性リンパ腫が疑われる場合は血液内科・腫瘍内科への紹介につながることもあります。
✅ 皮膚科が適しているケース
しこりが皮膚の表面に近く、脂肪腫や粉瘤(アテローム)が疑われる場合は皮膚科の受診も適切です。皮膚科では皮膚の構造に精通した医師が診察し、切除などの処置も行われます。感染を起こした粉瘤などは皮膚科での切開排膿処置が行われることもあります。
📝 外科・形成外科が適しているケース
しこりの摘出手術を検討している場合や、外傷後にできたしこりの場合は外科や形成外科を受診するのが適切です。また、一部のクリニックでは「頭頸部外科」という専門外来を設けているところもあり、首のしこりに特化した診療が受けられます。
🔸 甲状腺専門のクリニック・内分泌内科
首の前面にしこりがあり、甲状腺の異常が疑われる場合は、内分泌内科や甲状腺専門のクリニックを受診するのが理想的です。甲状腺の超音波検査や血液検査(甲状腺ホルモン値)によって診断が進められます。
Q. 首のしこりで痛みがなければ放置しても大丈夫ですか?
痛みがないからといって安全とは限りません。悪性リンパ腫・転移がん・甲状腺がんなど注意が必要な疾患の多くは、初期に痛みを伴わないことが特徴です。「痛みがないのに4週間以上しこりが消えない」という状況こそ医療機関での精査が必要なサインであり、早めの受診が重要です。
🔍 原因別に見る受診科目の目安
先に説明した原因ごとに、それぞれ最も適切な受診科目をまとめて整理します。
⚡ 風邪・扁桃炎・咽頭炎などによるリンパ節腫脹
原因となる上気道感染症が疑われる場合は、耳鼻咽喉科か内科を受診します。のどの痛みや発熱がある場合は特に耳鼻咽喉科が向いています。感染症の治療が行われれば、リンパ節の腫れも自然に治まることが多いです。ただし、抗菌薬の使用が必要な細菌性感染症の場合は医師の処方を受ける必要があります。
🌟 歯・歯茎の感染による顎下リンパ節腫脹
顎の下あたりにしこりがあり、歯の痛みや歯茎の腫れを伴う場合は、まず歯科・口腔外科を受診することが重要です。歯の根の炎症(根尖性歯周炎)や親知らずの炎症(智歯周囲炎)が原因となっていることがあります。歯の治療によって顎下リンパ節の腫れも改善することが期待できます。
💬 脂肪腫
柔らかく動くしこりで、脂肪腫が疑われる場合は皮膚科・形成外科・外科を受診します。小さくて無症状であれば経過観察のみの場合もありますが、大きくなってきた場合や外見が気になる場合は手術による摘出が選択されます。手術は局所麻酔で行われることが多く、日帰りで対応できるクリニックもあります。
✅ 粉瘤(アテローム)
粉瘤は皮膚科か形成外科、外科を受診します。感染していない状態であれば局所麻酔下での嚢胞切除術が行われます。感染・化膿している場合は、まず切開して膿を出し(切開排膿)、炎症が落ち着いた後に根治手術を行うことが一般的です。
📝 甲状腺腫瘍・甲状腺がん
首の前面(甲状腺の位置)にしこりを感じる場合は、内分泌内科、甲状腺専門クリニック、または耳鼻咽喉科を受診します。超音波検査や甲状腺機能検査(血液検査)、必要に応じて穿刺吸引細胞診(針でしこりの細胞を採取して調べる検査)などが行われます。
🔸 悪性リンパ腫
痛みのない複数のリンパ節腫脹、発熱、体重減少などが重なる場合は血液内科・腫瘍内科への受診が必要です。最初は内科や耳鼻咽喉科を受診し、そこから専門科に紹介されることが多いです。血液検査や画像検査(CTなど)、リンパ節生検によって診断されます。
⚡ 転移性リンパ節腫大(頭頸部がん・その他のがんの転移)
声がれや嚥下障害(飲み込みにくい)、原因不明の体重減少などを伴う場合は、まず耳鼻咽喉科(頭頸部外科)を受診することが推奨されます。口腔外科や腫瘍内科と連携しながら診療が進められます。
🌟 先天性嚢胞(正中頸嚢胞・側頸嚢胞)
先天性の嚢胞が疑われる場合は耳鼻咽喉科(頭頸部外科)または外科を受診します。感染を繰り返す場合や大きくなる場合には手術による摘出が行われます。

💪 緊急性の高いサイン——すぐに受診が必要な場合
首のしこりの中には、速やかな医療的対応が必要なものもあります。以下のような症状や特徴が見られる場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
💬 しこりが急速に大きくなっている
数日のうちに急激に大きくなるしこりは、感染症による化膿や、悪性腫瘍の急速な増大を示している可能性があります。特に感染による頸部膿瘍は気道を圧迫することがあり、放置すると重篤な呼吸困難につながることもあります。
✅ 呼吸困難・嚥下困難(飲み込みにくい)がある
しこりによって気道や食道が圧迫されると、息苦しさや飲み込みにくさが生じます。これは気道緊急事態につながりうる危険なサインです。呼吸困難を伴う場合は救急受診も検討してください。
📝 高熱・激しい疼痛を伴う
首のしこりとともに38度以上の高熱や、激しい首の痛みがある場合は、頸部の深在性感染症(深頸部膿瘍)が疑われます。この状態は重篤化しやすく、入院加療が必要になることもあります。
🔸 声がれ(嗄声)が続く
しこりとともに声がかすれる症状が長く続く場合は、甲状腺がんや頸部のがんが反回神経(声帯を動かす神経)を圧迫・浸潤している可能性があります。早期に耳鼻咽喉科を受診してください。
⚡ 3〜4週間以上しこりが続き、縮小しない
感染症によるリンパ節腫脹は、感染が治まれば通常3〜4週間以内に縮小します。それ以上の期間にわたってしこりが持続する場合は、感染以外の原因(悪性疾患を含む)を疑って精査することが必要です。
🌟 体重が意図せず減少している
特に食事量を減らしたわけでもないのに体重が大きく落ちている場合、特に6か月以内に体重の5〜10%以上の減少は、悪性リンパ腫や悪性腫瘍の全身症状として注意が必要です。
Q. 首のしこりで救急受診が必要な症状は何ですか?
以下の場合は早急な受診が必要です。数日で急速にしこりが大きくなる、呼吸困難や飲み込みにくさがある、38度以上の高熱や激しい痛みを伴う、声がれが続く、意図せず体重が大きく減少しているケースです。特に呼吸困難を伴う場合は、気道緊急事態につながる危険があるため救急受診も検討してください。
🎯 問診・検査ではどのようなことが行われるか
首のしこりで医療機関を受診した際、どのような問診や検査が行われるかを事前に知っておくと、受診時に安心できます。
💬 問診の内容
医師はまず問診で、しこりがいつ頃から気になり始めたか、その後大きくなっているか変化がないか、痛みはあるか、発熱・倦怠感・体重減少などの全身症状はあるか、最近風邪をひいたり扁桃炎になったりしたか、喫煙や飲酒の習慣はあるか(頭頸部がんのリスク因子)、ペットを飼っているか、海外渡航歴はあるか、家族にがんの既往歴があるかなどを確認します。これらの情報が診断の方向性を大きく左右します。
✅ 視診・触診
医師が実際にしこりを手で触れて確認します。大きさ、硬さ、表面の性状(表面が滑らかか不整か)、可動性(動くか固定されているか)、圧痛の有無などを評価します。また、首全体のリンパ節の状態(頸部リンパ節の系統的な触診)も行われます。
📝 内視鏡検査(ファイバースコープ)
耳鼻咽喉科では、細い内視鏡(ファイバースコープ)を鼻から入れて咽頭・喉頭・声帯を観察します。頭頸部のがんを見逃さないための重要な検査です。違和感を感じることもありますが、数分で終わります。
🔸 超音波(エコー)検査
超音波検査は放射線被曝がなく、外来で簡便に行える検査です。しこりの内部が液体(嚢胞)か固体(充実性)かを判断したり、血流の状態を確認したりするのに有用です。リンパ節の大きさや内部構造、甲状腺の状態を詳しく評価することができます。
⚡ 血液検査

炎症の程度を示すCRP(C反応性タンパク)や白血球数、悪性リンパ腫に関連するLDHや尿酸値、甲状腺機能(TSH・FT3・FT4)、EBウイルスや各種感染症の抗体検査などが行われます。これらによって原因を絞り込んでいきます。
🌟 画像検査(CT・MRI・PET-CT)
より詳しい評価が必要な場合や悪性疾患が疑われる場合には、CT検査やMRI検査が行われます。首全体から胸部にかけての状態を詳しく把握でき、転移の有無や病変の広がりを評価することができます。PET-CT検査は、悪性腫瘍の全身評価に用いられることがあります。
💬 穿刺吸引細胞診・生検
しこりの性質をより確実に調べる必要がある場合は、細い針でしこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査が行われます。甲状腺腫瘍や悪性リンパ腫、転移性リンパ節の診断において重要な検査です。局所麻酔下で行われ、比較的短時間で終わります。
💡 受診前に確認しておくべきこと
医療機関をスムーズに受診するため、また医師に正確な情報を伝えるために、事前にいくつかの点を整理しておくと役立ちます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、首のしこりを心配されて受診される方の多くが、「痛みがないから様子を見ていた」とおっしゃいます。しかし、悪性リンパ腫や甲状腺がんをはじめとした注意が必要な疾患は、初期に痛みを伴わないことが多く、4週間以上しこりが続く場合は特に早めにご相談いただくことが大切です。首のしこりは原因によって受診すべき診療科が異なりますが、まずはお気軽にご来院いただければ、適切な診療科へのご案内も含めて丁寧に対応させていただきます。」
Q. 首のしこりの診察ではどんな検査が行われますか?
首のしこりで受診した際は、問診・視診・触診のほか、耳鼻咽喉科ではファイバースコープによる咽頭・喉頭の観察、超音波検査によるしこり内部の評価が行われます。さらに血液検査、必要に応じてCT・MRI検査や、細胞を採取して調べる穿刺吸引細胞診が実施され、原因を絞り込んでいきます。
📌 よくある質問
原因が不明な段階では、まず「耳鼻咽喉科」への受診がおすすめです。耳鼻咽喉科は頭頸部全体を専門とし、内視鏡検査や超音波検査にも対応しているため、原因を効率よく絞り込むことができます。近くに耳鼻咽喉科がない場合や発熱などの全身症状がある場合は、内科への受診も適切な選択肢です。
痛みがないからといって安全とは限りません。悪性リンパ腫や転移がん、甲状腺がんなど注意が必要な疾患の多くは、初期に痛みを伴わないことが特徴です。「痛みがないのに4週間以上しこりが消えない」という状況こそ、医療機関での精査が必要なサインです。早めに受診することをおすすめします。
脂肪腫や粉瘤(アテローム)が疑われる場合は、皮膚科・形成外科・外科への受診が適切です。脂肪腫は無症状であれば経過観察のみの場合もありますが、粉瘤の根治には手術による摘出が必要です。感染・化膿している粉瘤は、まず切開排膿を行い、炎症が落ち着いた後に根治手術を行うのが一般的です。
以下の症状がある場合は早急な受診が必要です。①しこりが数日で急速に大きくなっている、②呼吸困難や飲み込みにくさがある、③38度以上の高熱や激しい痛みを伴う、④声がれが続く、⑤意図せず体重が大きく減少している。特に呼吸困難を伴う場合は救急受診も検討してください。
受診前に以下の情報をメモしておくとスムーズです。①しこりに気づいた時期と大きさの変化、②痛みや熱感の有無、③しこりの位置と数、④発熱・倦怠感・体重変化などの全身症状、⑤最近の風邪や歯のトラブル、⑥現在服用中の薬。当院でも受診時にこれらの情報をもとに丁寧に診察を進めております。
✅ しこりに関する情報をまとめておく
いつ頃からしこりに気づいたか、大きさの変化はあるか(大きくなっているか、変わらないか)、痛みや熱感はあるか、一つか複数あるか、首のどの位置にあるか(前・後ろ・横・顎の下など)などをメモしておくと、問診がスムーズに進みます。
📝 全身症状も記録しておく
発熱・倦怠感・体重の変化・食欲の変化・寝汗・皮膚のかゆみなど、しこり以外の体の変化も記録しておきましょう。これらの情報が診断の重要な手がかりになることがあります。
🔸 最近の体調変化・生活歴を整理する
最近の風邪やのどの痛み、歯の治療・トラブル、海外渡航、動物との接触、性感染症のリスクなど、生活状況に関する情報も医師にとって有用な情報です。また、現在服用中の薬(一部の薬はリンパ節腫脹を引き起こすことがある)も伝えてください。
⚡ 受診先のクリニック選び
首のしこりで初めて受診する場合は、近くの耳鼻咽喉科や内科を選ぶのが現実的です。超音波(エコー)検査が院内で実施できるクリニックであれば、より迅速に評価が進みます。必要に応じて大学病院や総合病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科、血液内科、内分泌内科などに紹介されます。
✨ 首のしこりを自己判断で放置してはいけない理由
「風邪のせいかな」「痛くないから大丈夫だろう」と考えて、首のしこりを様子見のまま長期間放置してしまう方は少なくありません。しかし、これにはいくつかの重要なリスクがあります。
🌟 悪性疾患の発見が遅れるリスク
悪性リンパ腫や転移がんは、初期には痛みを伴わないことが多く、一見すると単なるリンパ節の腫れと区別がつきにくい場合があります。放置している間に病気が進行してしまうと、治療の選択肢が狭まり、予後に影響することがあります。がんは一般的に早期発見・早期治療が予後の改善につながるとされています。
💬 感染症の悪化
リンパ節炎や粉瘤の感染は、放置すると蜂窩織炎(皮膚の深い層まで広がる感染症)や頸部膿瘍(頸部の深部に膿がたまる状態)に発展することがあります。頸部膿瘍は縦隔(胸の中心部)に感染が広がる「下降性壊死性縦隔炎」という、生命に関わる重篤な状態になるリスクがあります。
✅ 原因不明のまま長期化する
しこりを放置することで、最初の原因(例えば急性感染症)の情報が失われ、診断が難しくなることがあります。また、良性・悪性を鑑別する重要な比較基準(サイズの変化、性状の変化)も失われます。なるべく早い段階で医療機関を受診し、適切な記録を残してもらうことが重要です。
📝 精神的な不安が長期化する
原因がわからないまま放置することは、精神的な不安を長引かせます。医療機関で診察を受けて「問題ない」と確認されれば安心できますし、もし治療が必要な場合でも早期対応ができます。「受診して安心する」「受診して早期に対処する」どちらの意味でも、早めの受診が重要です。
🔸 首のしこりで受診を迷わせる「痛みのない」という落とし穴
多くの方は「痛くないから大丈夫だろう」と判断してしまいがちです。しかし、悪性リンパ腫や転移がん、甲状腺がんなど、注意が必要な疾患の多くは、初期には痛みを伴いません。「痛みがない=安全」ではないことを覚えておいてください。むしろ「痛みがないのに長期間にわたってしこりが消えない」という状況こそ、精査が必要なサインの一つです。
🔍 まとめ
首のしこりができたとき、最初に受診すべき診療科として最もおすすめなのは耳鼻咽喉科です。頭頸部の広い範囲を専門とし、内視鏡検査や超音波検査も対応できるため、原因を効率よく絞り込むことができます。近くに耳鼻咽喉科がない場合や全身症状を伴う場合は内科への受診も適切な選択肢です。
しこりの原因が皮膚に近い脂肪腫や粉瘤であれば皮膚科や形成外科へ、甲状腺疾患が疑われれば内分泌内科や甲状腺専門クリニックへ、歯の感染が疑われれば歯科・口腔外科へと、原因に応じた診療科に受診することが重要です。
急速にしこりが大きくなる、呼吸困難・嚥下困難がある、高熱や強い痛みを伴う、声がれが続くといった症状がある場合は、できるだけ早急に医療機関を受診してください。
「痛くないから大丈夫」「そのうち消えるだろう」と自己判断して放置することは、悪性疾患の発見遅れや感染症の重篤化につながるリスクがあります。首にしこりを感じたら、4週間以上継続する場合は特に、早めに医療機関で相談することを強くお勧めします。適切な診療科への受診が、早期診断・早期治療につながる第一歩です。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – がん対策に関する情報として、甲状腺がん・悪性リンパ腫・頭頸部がんなど首のしこりに関連する悪性疾患の基礎情報および受診勧奨の根拠として参照
- 日本皮膚科学会 – 脂肪腫・粉瘤(アテローム)など皮膚由来の良性腫瘍に関する診断基準・治療方針(切開排膿・嚢胞摘出術)および受診科目の目安として参照
- 国立感染症研究所 – 感染症によるリンパ節腫脹の原因として挙げた伝染性単核球症(EBウイルス)・猫ひっかき病・梅毒・HIV感染症などの疾患情報および疫学データとして参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
