
💡 耳の前にしこりを発見して、不安になっていませんか?
この記事を読めば、「受診すべきか・様子見でいいか」が今すぐわかります。
読まずに放置すると、見逃してはいけない病気のサインを見落とす可能性があります。
— 朝、鏡を見て気づいた 26歳・女性
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- ⚡ 触ると硬くて動かない
ある日突然、耳の前にしこりのようなものを触れて「これは何だろう?」と不安になった経験はないでしょうか。耳の前は、リンパ節が集まっている場所でもあり、さまざまな原因でしこりが生じやすい部位です。多くの場合は一時的なリンパ節の腫れで、心配のないケースも多いのですが、中にはきちんと医療機関を受診すべき状態が隠れていることもあります。この記事では、耳の前にしこりができる原因や、リンパ節との関係、症状の特徴、そして受診のタイミングについて、医療的な観点からわかりやすくお伝えします。
目次
- 耳の前にしこりができる仕組み
- 耳の前のリンパ節とは?その役割と位置
- 耳の前のしこりの主な原因
- 良性のしこりと悪性のしこりの見分け方
- こんな症状があったら要注意
- 耳の前のしこりに関わる主な疾患
- 何科を受診すればよいか
- 診察・検査の流れ
- 日常生活で気をつけること
- まとめ
この記事のポイント
耳の前のしこりはリンパ節炎・耳下腺炎・粉瘤などが主な原因。多くは良性だが、2週間以上消えない・大きくなる・全身症状を伴う場合は早期受診が必要。
💡 耳の前にしこりができる仕組み
耳の前(耳珠や耳たぶの前方あたり)にしこりが生じる仕組みは、一つではありません。皮膚やその下の組織、リンパ節、唾液腺、血管など、この部位にはさまざまな構造物が密集しているため、それぞれに由来するしこりが発生する可能性があります。
しこりとは、皮膚の表面あるいは皮膚の下に生じる局所的な盛り上がりや硬まりのことを指します。触れた感触は柔らかいものから硬いものまでさまざまで、動くものと動かないもの、痛みがあるものとないもの、急に大きくなるものとゆっくりと成長するものなど、その性質によって原因が異なってきます。
耳の前という解剖学的な位置を考えると、特に多いのがリンパ節の腫大と唾液腺(耳下腺)に関連したしこりです。また、皮膚に由来する粉瘤や脂肪腫が生じることも珍しくありません。いずれにしても、しこりの性状をきちんと観察し、必要に応じて専門家に診てもらうことが大切です。
Q. 耳の前にあるリンパ節の役割と位置は?
耳の前に位置する「耳前リンパ節」は、目・耳・頬・頭皮からのリンパ液が流れ込む免疫器官です。細菌やウイルスが侵入すると免疫細胞を活性化させ感染を抑える「防衛基地」として機能します。通常は触れられないほど小さいですが、周辺で炎症が起きると腫れて皮膚の上から確認できるようになります。
📌 耳の前のリンパ節とは?その役割と位置
リンパ節は、全身に張り巡らされたリンパ管の途中に存在する小さな器官で、免疫機能において重要な役割を果たしています。体内に細菌やウイルスが侵入したとき、リンパ節がその情報をキャッチして免疫細胞を活性化させ、感染を食い止めようとする働きをします。いわば、体の「防衛基地」のような存在です。
耳の前に存在するリンパ節は、医学的には「耳前リンパ節(じぜんリンパせつ)」と呼ばれます。この耳前リンパ節は、耳介(耳の外側にある軟骨部分)の前方、こめかみから頬にかけての領域に位置しており、目や耳、頬、頭皮などからのリンパ液が流れ込んできます。
通常の状態では、耳前リンパ節は小さすぎて外から触れることはできません。しかし、この付近で炎症や感染が起きると、リンパ節が活性化して大きくなり、皮膚の上から触れることができるようになります。これが「リンパ節の腫れ(リンパ節腫大)」です。多くの場合、押すと少し痛みを感じ、弾力があって移動するような感覚があります。
耳前リンパ節は、耳や目、頬、頭皮といった場所に何らかのトラブルが起きたときにいち早く反応するため、その周辺の炎症の「シグナル」として機能しています。耳の前のしこりを感じたら、まずはリンパ節の腫れが疑われますが、それ以外の原因も念頭に置いて考えることが重要です。
✨ 耳の前のしこりの主な原因
耳の前のしこりは、その原因によって性状や経過が大きく異なります。以下に代表的な原因を挙げていきます。
✅ リンパ節炎(反応性リンパ節腫大)
最も多い原因の一つが、感染症に伴うリンパ節の腫れです。風邪や扁桃炎、中耳炎、外耳炎、目の感染症(結膜炎など)、虫歯や歯周病など、耳の前のリンパ節が担当する領域で炎症が起きると、リンパ節が反応して大きくなります。このような状態を「反応性リンパ節腫大」と呼びます。
この場合のリンパ節は柔らかく、押すと痛みを伴い、皮膚の上でよく動くのが特徴です。原因となる感染症が治まれば、通常は数週間以内にリンパ節も元の大きさに戻ります。
📝 耳下腺の腫れ・耳下腺炎
耳の前の少し下には、「耳下腺(じかせん)」という唾液を分泌する大きな唾液腺があります。この耳下腺が炎症を起こしたり、腫れたりすると、耳の前全体が腫れたように感じられ、しこりとして認識されることがあります。
耳下腺炎の原因としてよく知られているのが、流行性耳下腺炎(おたふく風邪)です。ムンプスウイルスによって引き起こされるこの病気は、子どもに多く見られますが、大人でも感染することがあります。おたふく風邪では、耳の前から顎のあたりにかけて腫れが生じ、痛みや発熱を伴います。
その他にも、細菌感染による化膿性耳下腺炎や、唾石(唾液腺の中に結石ができる状態)による閉塞なども耳下腺の腫れを引き起こすことがあります。
🔸 粉瘤(アテローム)
粉瘤とは、皮膚の下に老廃物や皮脂が袋状に蓄積してできる良性の腫瘤です。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれます。耳の周囲や顔、首などによく見られ、耳の前にできることも珍しくありません。
粉瘤は、ドーム状に皮膚が盛り上がり、中心に小さな点(開口部)が見えることがあります。通常は痛みがなく、ゆっくりと大きくなっていきます。ただし、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みが生じる「炎症性粉瘤」になることがあります。
⚡ 脂肪腫
脂肪腫は、脂肪細胞が異常に増殖してできる良性の腫瘤です。皮膚の下に柔らかい塊として触れ、押しても痛みがなく、比較的よく動きます。成長がゆっくりで、多くの場合は悪性化することはありません。耳の前を含む顔や首、体幹などのどこにでも発生します。
🌟 石灰化上皮腫(毛芽腫)
石灰化上皮腫は、毛包(毛の根元)に由来する良性の腫瘍で、皮膚の下に硬い石のような感触のしこりとして現れます。顔や首、耳の周囲に多く見られ、特に小児や若い女性に多い傾向があります。硬く、動かそうとするとやや動く程度で、通常は痛みを伴いません。
💬 耳介軟骨の問題
耳の軟骨に関連した病変として、軟骨膜炎(けんこつまくえん)や耳介仮性嚢腫(じかいかせいのうしゅ)などが耳の前のしこりや腫れとして認識されることがあります。耳への外傷や圧迫が原因となることが多いです。
✅ 悪性腫瘍
まれですが、耳前リンパ節に悪性リンパ腫の転移や、皮膚がんの転移が生じることがあります。また、耳下腺に発生する耳下腺腫瘍の中には悪性のものも存在します。これらは一般的に痛みが少なく、硬くて動かないしこりとして現れることが多いですが、症状だけで良悪性を判断することは難しく、医療機関での検査が必要です。
Q. 耳の前のしこりが悪性腫瘍を疑うサインは?
耳の前のしこりで注意すべき特徴は、硬くて石のような感触がある、皮膚や周囲組織に固定されて動かない、痛みがない、時間とともに大きくなる、などです。さらに発熱・体重減少・夜間の大量の寝汗(B症状)を伴う場合は悪性リンパ腫なども疑われるため、速やかに医療機関を受診してください。
🔍 良性のしこりと悪性のしこりの見分け方
しこりを自分で触れたとき、「これは大丈夫なのか」と不安になる方が多いと思います。完全に自己判断することは難しいですが、良性と悪性のしこりにはいくつかの傾向的な違いがあります。ただし、以下に挙げる特徴はあくまでも目安であり、最終的な判断は医師による診察と検査が必要です。
良性のしこりに多い特徴としては、触れると痛みがある(炎症が原因の場合)、表面が滑らかで動かすことができる、柔らかくて弾力がある、大きさが変わらないか、あるいは感染症の回復とともに小さくなる、といった点が挙げられます。特にリンパ節の反応性腫大では、押すと痛みがあり、数週間以内に縮小することが多いです。
一方、注意が必要なしこりの特徴としては、硬くて石のような感触がある、皮膚や周囲の組織に固定されていて動かない、時間の経過とともに明らかに大きくなっている、表面が不整形でデコボコしている、痛みがない(悪性腫瘍は初期に痛みが少ないことが多い)、皮膚の色の変化(赤み、変色)を伴う、などが挙げられます。
また、しこりのサイズも一つの目安となります。直径1センチメートル以上のリンパ節の腫れが2週間以上続く場合は、医療機関を受診することが勧められます。ただし、小さいからといって必ずしも安全とは言えませんし、大きいからといって必ず悪性というわけでもありません。
💪 こんな症状があったら要注意
耳の前のしこりに加えて、以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早めに医療機関を受診することをお勧めします。
まず、しこりが2週間以上経っても小さくならない、あるいは徐々に大きくなっているという場合は注意が必要です。感染症に伴うリンパ節の腫れであれば、感染症が治まれば通常は2〜4週間以内に縮小します。それを超えても改善しない場合は、別の原因を考える必要があります。
次に、発熱が続いている場合です。発熱は感染症のサインである場合がほとんどですが、悪性リンパ腫などでも発熱が見られることがあります。特に原因不明の発熱が続く場合は要注意です。
体重の急激な減少も見逃せないサインです。特に食欲の変化がないにもかかわらず体重が落ちている場合は、悪性疾患の可能性を疑う必要があります。
夜間に汗を大量にかく(寝汗)という症状も、悪性リンパ腫などで見られることがある症状です。これが発熱や体重減少と組み合わさっている場合(B症状と呼ばれます)、特に医師への相談が急がれます。
しこりが複数の場所にある場合も注意が必要です。首、脇の下、鼠径部など、体の複数の場所でリンパ節が腫れている場合は、全身性の疾患が疑われます。
また、顔面の感覚の変化(しびれ、麻痺感)や、顔の動き(表情筋の動き)に異変がある場合も、神経を巻き込んでいる可能性があるため、早急な受診が必要です。耳下腺腫瘍が顔面神経に影響を与えると、顔面神経麻痺が生じることがあります。
耳や目の周囲の皮膚に傷や炎症がある場合も、そこからの感染がリンパ節に波及している可能性があります。皮膚の状態も合わせて観察するようにしてください。
Q. 耳の前のしこりは何科を受診すればよいか?
耳の前のしこりは、まずかかりつけ医や内科への相談が受診しやすい選択肢です。耳の痛みや難聴を伴う場合は耳鼻咽喉科、皮膚の変色や傷を伴う場合は皮膚科が適しています。アイシークリニックでも粉瘤・脂肪腫などのしこりの相談を受け付けており、症状に応じて適切な診療科への紹介も行っています。

🎯 耳の前のしこりに関わる主な疾患
ここでは、耳の前のしこりに関連する代表的な疾患について、もう少し詳しく説明します。
📝 伝染性単核球症(EBウイルス感染症)
エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)が引き起こす感染症で、特に若い人に多く見られます。高熱、のどの痛み、リンパ節の腫れ(特に首周囲)、倦怠感などが主な症状です。「キス病」とも呼ばれ、唾液を介して感染します。耳前リンパ節のほか、首や脇の下のリンパ節も腫れることがあります。
🔸 猫ひっかき病
猫にひっかかれたり噛まれたりした後に、バルトネラ・ヘンセレという細菌が感染して起こる疾患です。ひっかかれた部位の近くのリンパ節が腫れ、場合によっては化膿することがあります。顔や手をひっかかれた場合に耳前リンパ節が腫れることがあります。発熱や倦怠感を伴うこともあります。
⚡ ウイルス性結膜炎(流行性角結膜炎)
アデノウイルスによる目の感染症で、「はやり目」とも呼ばれます。目の充血、目やに、涙目などの症状とともに、耳前リンパ節が腫れることが特徴的です。流行性角結膜炎の場合、耳前リンパ節の腫れは診断の手がかりの一つになることがあります。
🌟 悪性リンパ腫
リンパ節や全身のリンパ組織に発生するがんです。リンパ節が痛みなく腫れてくる場合、悪性リンパ腫の可能性が考えられます。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、発熱、体重減少、寝汗などの全身症状を伴うことがあります。耳前リンパ節に発生することもありますが、頸部や鎖骨の上など他のリンパ節にも腫れが見られることが多いです。
💬 耳下腺腫瘍

耳下腺に発生する腫瘍は、その80〜90%が良性で、多形腺腫(たけいせんしゅ)が最も多く見られます。良性腫瘍は硬く、表面が滑らかで、ゆっくりと大きくなります。一方、悪性の耳下腺腫瘍(耳下腺がん)は比較的まれですが、急速に大きくなる、痛みがある、顔面神経麻痺を伴うなどの症状が見られることがあります。耳下腺に何らかのしこりを感じたら、早めに専門科を受診することが重要です。
✅ 皮膚がんの転移
頭皮や顔、耳などに発生した皮膚がん(扁平上皮がん、メラノーマなど)が、耳前リンパ節に転移することがあります。皮膚にただれや色素の変化、長く治らない傷がある場合は、皮膚がんの可能性も考慮に入れる必要があります。
📝 サルコイドーシス
原因不明の全身性の炎症性疾患で、リンパ節や肺、皮膚、目などさまざまな臓器に肉芽腫(にくがしゅ)と呼ばれる炎症の固まりが形成されます。耳前リンパ節が腫れる場合もあり、発熱、倦怠感、皮膚症状などを伴うことがあります。
💡 何科を受診すればよいか
耳の前のしこりに気づいたとき、どの診療科を受診すればよいか迷う方も多いと思います。症状や考えられる原因によって、適切な診療科は異なりますが、以下を参考にしてください。
まず最初に相談しやすいのは、内科や総合診療科です。しこりの性状を確認し、必要に応じて専門科への紹介をしてもらうことができます。特にかかりつけ医がいる場合は、まずそちらに相談するとよいでしょう。
耳の症状(耳鳴り、難聴、耳の痛みなど)を伴う場合は、耳鼻咽喉科が適切です。耳下腺や耳前リンパ節に関連するしこりも、耳鼻咽喉科(頭頸部外科)で診察を受けることができます。耳下腺腫瘍や唾液腺の疾患についても、耳鼻咽喉科が専門的な診察・治療を行います。
皮膚に問題がある場合、たとえば皮膚の変色、傷、ただれなどを伴うしこりがある場合は、皮膚科への受診を検討してください。粉瘤や脂肪腫、石灰化上皮腫なども皮膚科での診察・治療が一般的です。また、皮膚がんの疑いがある場合も皮膚科が専門です。
目の症状(充血、目やになど)が先行してから耳前リンパ節が腫れてきた場合は、眼科への受診も考慮してください。流行性角結膜炎などの目の感染症に伴うリンパ節腫大の場合、眼科で原因疾患の治療を行うことで、リンパ節の腫れも改善していきます。
悪性リンパ腫が疑われる場合(全身のリンパ節腫大、発熱、体重減少、寝汗などを伴う場合)は、血液内科や腫瘍内科への受診が必要となります。しかし、こうしたケースでも最初は内科や耳鼻咽喉科を受診して、そこから専門科に紹介されることが多いです。
アイシークリニック新宿院では、皮膚のしこりや粉瘤、脂肪腫などに関する相談を受け付けています。耳の前のしこりが気になる場合は、まず受診してご相談ください。症状に応じて適切な診療科への紹介も行っています。
Q. 耳の前のしこりを自宅で触ったり絞ったりしてよい?
耳の前のしこりを繰り返し触ったり揉んだりすることは、炎症悪化につながるため避けてください。特に粉瘤の内容物を自分で絞り出す行為は細菌感染のリスクを高めるため絶対に禁物です。確認程度にとどめ、大きさや硬さの変化をメモして受診時に医師へ正確に伝えることが適切な対処法です。
📌 診察・検査の流れ
耳の前のしこりを主訴として医療機関を受診した場合、どのような診察・検査が行われるかについて説明します。
まず、問診が行われます。いつからしこりに気づいたか、大きさの変化はあるか、痛みはあるか、発熱や体重減少などの全身症状はあるか、最近の感染症の有無、ペットとの接触歴、既往歴や内服薬などについて質問されます。これらの情報は、しこりの原因を絞り込む上で非常に重要です。
次に、視診と触診が行われます。しこりの大きさ、形、硬さ、表面の性状、皮膚との癒着の有無、可動性、圧痛の有無などを確認します。また、耳や目、口の中なども確認し、リンパ節腫大の原因となりうる感染の徴候がないかを調べます。首全体や顎の下など、他のリンパ節も合わせて触診することが多いです。
血液検査では、白血球数や炎症マーカー(CRPなど)を測定して感染症や炎症の有無を確認します。また、EBウイルスなどの感染症に関する抗体検査が行われることもあります。
画像検査としては、超音波検査(エコー)が最もよく使われます。リンパ節の大きさ、内部の構造、血流の状態などをリアルタイムで確認でき、良性・悪性の鑑別に有用です。より詳しい評価が必要な場合は、CT検査やMRI検査が追加されることがあります。
悪性腫瘍が疑われる場合や診断が確定しない場合には、細胞診や生検が行われることがあります。細胞診では、しこりに細い針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で調べます。生検ではしこりの一部または全部を切除して病理組織検査を行い、より確実な診断を下すことができます。
これらの検査を経て診断が確定したら、原因に応じた治療方針が決定されます。感染症であれば抗菌薬や抗ウイルス薬による治療、粉瘤や脂肪腫であれば外科的切除、悪性腫瘍であれば化学療法や放射線療法、手術などが選択されます。
✨ 日常生活で気をつけること
耳の前にしこりができた場合、日常生活でどのような点に気をつければよいかについてもお伝えします。
まず、しこりを過度に触ったり、揉んだりすることは避けましょう。しこりを繰り返し刺激することで、炎症が悪化したり、粉瘤などの場合は内容物が周囲の組織に漏れ出して状態が悪化したりすることがあります。気になっても、確認程度にとどめることが大切です。
粉瘤の場合、自分で内容物を無理に絞り出そうとする方がいますが、これは感染のリスクを高めるため、絶対に避けてください。粉瘤の根本的な治療は、袋ごと摘出する外科的手術です。
リンパ節の腫れを伴う感染症にかかっている場合は、十分な休息と水分補給を心がけてください。免疫機能を高めることで、感染症の回復が早まり、リンパ節の腫れも改善しやすくなります。
ウイルス性結膜炎(はやり目)に伴ってリンパ節が腫れている場合は、接触感染を防ぐために、手洗いを徹底し、タオルの共用を避けるなどの対策が重要です。はやり目は非常に感染力が強く、家族や周囲の人への感染予防が求められます。
猫を飼っている方は、猫にひっかかれた際はすぐに傷口を洗浄することが重要です。また、猫ひっかき病はワクチン接種されていない猫から感染することが多いため、猫の健康管理も気をつけてください。
しこりの状態を定期的に自分で確認し、大きさの変化、硬さの変化、新たな症状の出現がないかを観察することも大切です。変化があった場合はメモしておくと、受診時に医師に正確な情報を伝えることができます。
規則正しい生活習慣と栄養バランスのよい食事を心がけることも、免疫機能の維持に役立ちます。喫煙はがんのリスクを高め、免疫機能を低下させるため、禁煙を検討することも一つの選択肢です。
また、日頃から紫外線対策を意識することも、皮膚がんの予防という観点から重要です。耳の周囲や顔は紫外線を受けやすい部位ですので、日焼け止めや帽子の着用などを習慣づけることをお勧めします。
しこりがあると「もしかしてがんではないか」と強い不安を感じる方もいるかもしれません。過度な心配はストレスとなり、かえって体に悪影響を及ぼすことがあります。不安を感じたら、自分で抱え込まず、早めに医療機関に相談することが精神的にも体的にも最善の対処法です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の前のしこりを主訴にご来院される患者様の多くは、感染症に伴う一時的なリンパ節の腫れや粉瘤など、適切な処置で改善できる状態であることがほとんどです。ただし、しこりが2週間以上消えない、じわじわと大きくなっているといった変化がある場合は、背後に見逃してはいけない疾患が隠れているケースもありますので、自己判断せず早めにご相談いただくことが大切です。どうぞ不安を一人で抱え込まず、気になる症状があればお気軽に受診してください。」
🔍 よくある質問
耳の前にはリンパ節(耳前リンパ節)が存在するため、しこりの原因としてリンパ節の腫れが最も多く考えられます。ただし、唾液腺(耳下腺)の腫れや、粉瘤・脂肪腫などの良性腫瘤が原因のこともあります。自己判断は難しいため、気になる場合は医療機関への受診をお勧めします。
風邪や結膜炎などの感染症に伴うリンパ節の腫れであれば、感染症が回復するとともに通常2〜4週間以内に縮小します。しかし、2週間以上経過しても改善しない場合や、しこりが大きくなっている場合は、別の原因が考えられるため、早めに医療機関を受診してください。
硬くて石のような感触がある、皮膚や周囲組織に固定されて動かない、痛みがない、時間とともに大きくなるといった特徴が見られる場合は注意が必要です。また、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴う場合も要注意です。ただし、症状だけでの自己判断は難しく、医師による診察と検査が必要です。
症状によって異なりますが、まずはかかりつけ医や内科への相談が受診しやすい選択肢です。耳の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科、皮膚の変色や傷を伴う場合は皮膚科が適しています。アイシークリニックでも粉瘤や脂肪腫などのしこりに関する相談を受け付けており、必要に応じて適切な診療科への紹介も行っています。
しこりを繰り返し触ったり揉んだりすることは、炎症の悪化につながる可能性があるため避けてください。特に粉瘤の内容物を自分で絞り出す行為は、感染リスクを高めるため絶対に避けるべきです。気になる場合は確認程度にとどめ、変化があればメモしておき、受診時に医師へ正確に伝えるようにしましょう。
💪 まとめ
耳の前のしこりは、リンパ節の腫れ、耳下腺の腫れ、粉瘤、脂肪腫など、さまざまな原因によって生じることがあります。その多くは感染症に伴う一時的なリンパ節の反応や、良性の腫瘤であり、適切な処置を行えば問題なく改善します。
しかし、しこりが2週間以上続く、徐々に大きくなっている、複数のリンパ節が腫れている、発熱や体重減少などの全身症状を伴うといった場合には、悪性疾患も含めたさまざまな疾患の可能性を考え、早めに医療機関を受診することが大切です。
受診する科としては、症状に応じて内科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科などが考えられます。まず最初にかかりつけ医や一般的な内科・耳鼻咽喉科を受診し、必要に応じて専門科への紹介を受けることをお勧めします。
耳の前のしこりに気づいたら、自分で無理にいじったり、過度に心配したりせず、症状の変化を観察しながら適切な受診行動をとることが重要です。自分の体の変化に敏感になり、気になることがあれば迷わず医師に相談するようにしてください。早期発見・早期対処が、健康を守る上で何よりも大切です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫・石灰化上皮腫などの皮膚良性腫瘍に関する診断基準・治療指針の参照
- 国立感染症研究所 – 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)・伝染性単核球症・流行性角結膜炎など、耳前リンパ節腫大を引き起こす感染症に関する疫学・病態情報の参照
- 厚生労働省 – 悪性リンパ腫・耳下腺がん・皮膚がんなど悪性腫瘍に関する受診勧奨基準および国内がん対策情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
