顎下リンパ節が押すと痛い原因と対処法|いつ病院へ行くべきか

考え事をする女性

顎の下を触ったときに、コリッとしたしこりを感じたり、押すと痛みがあったりして不安になった経験はありませんか?

💬 「しこりが2週間以上引かない…」「なんか硬い気がする…」
放置していると、見逃してはいけない病気のサインを読み飛ばすリスクがあります。

🚨 この記事を読めばわかること

  • ✅ 顎下リンパ節が痛い・腫れる「本当の原因」
  • 「受診すべきタイミング」を見極めるポイント
  • 悪性リンパ腫・がんのサインを見逃さないチェックリスト
  • ✅ 何科に行けばいいかの答え
😟
顎の下にしこりがあって、もう3週間くらい経つんだけど…これって大丈夫?
👨‍⚕️
2〜4週間以上続く場合は要注意です!この記事で判断基準をチェックしてみてください。

目次

  1. 顎下リンパ節とはどこにある?その役割を知ろう
  2. 顎下リンパ節が押すと痛い主な原因
  3. 押すと痛いのは「反応性リンパ節腫脹」がほとんど
  4. 風邪・咽頭炎・扁桃炎による顎下リンパ節の腫れ
  5. 歯や歯茎の炎症が原因になることも
  6. 唾液腺の病気(顎下腺炎・唾石症)との違い
  7. 口腔内や咽頭のがんとの関連性
  8. 悪性リンパ腫はどんな症状?
  9. 子どもと大人で違う?年齢別の注意ポイント
  10. こんな症状があれば要注意——受診の目安
  11. 何科を受診すればよいか
  12. 自宅でできるケアと注意点
  13. まとめ

この記事のポイント

顎下リンパ節が押すと痛い原因は風邪・扁桃炎などの感染症が大半で、2〜3週間で改善することが多い。ただし腫れが2〜4週間以上続く場合や、硬く動かないリンパ節・発熱・体重減少などの全身症状を伴う場合は悪性リンパ腫やがんの可能性もあり、早めの受診が重要。

💡 顎下リンパ節とはどこにある?その役割を知ろう

顎下リンパ節(がくかリンパせつ)は、顎の骨(下顎骨)のすぐ内側、左右の顎の下に位置するリンパ節の集まりです。医学的には「顎下リンパ節群」と呼ばれ、通常は数個から十数個のリンパ節が存在しています。健康な状態では直径5〜10ミリ程度で、皮膚の上からは触れにくいことがほとんどです。

リンパ節は全身に約600〜800個あるとされており、免疫システムの重要な一部を担っています。体内に侵入した細菌やウイルス、異物をリンパ液とともに集め、リンパ球などの免疫細胞がそれらを処理する場所として機能しています。いわば「免疫の関所」のような役割を果たしているのです。

顎下リンパ節が担当しているリンパの流れは主に、口腔(くちの中全体)、歯茎、舌の前半部、下唇、頬、鼻の先端部分などです。これらの部位に炎症や感染が起きたとき、その情報がリンパ液に乗って顎下リンパ節に届き、免疫反応として腫れや痛みが生じます。

顎下リンパ節のすぐ近くには、唾液を産生する顎下腺(がくかせん)という器官も存在します。この二つは位置が近いため、素人目には区別がつきにくいことがあります。後ほど、顎下腺の病気との見分け方についても解説します。

Q. 顎下リンパ節が押すと痛い原因で最も多いものは何ですか?

顎下リンパ節が押すと痛い原因の大半は、風邪・咽頭炎・扁桃炎などの感染症による「反応性リンパ節腫脹」です。これは免疫反応として起こるもので、原因の感染や炎症が治まれば、通常は数日から2〜3週間以内にリンパ節の腫れも自然に改善します。

📌 顎下リンパ節が押すと痛い主な原因

顎下リンパ節が押すと痛む原因はさまざまですが、大きく分けると「感染・炎症によるもの」と「腫瘍性のもの」に分類されます。多くの場合は感染や炎症が原因ですが、まれに悪性の病気が関与していることもあります。

感染・炎症によるものとしては、上気道炎(風邪)、扁桃炎、歯周病、虫歯、口内炎、唾液腺炎などが代表的です。これらは日常生活でよく経験する病気であり、炎症が治まれば自然にリンパ節の腫れも引くことがほとんどです。

一方、腫瘍性のものとしては、悪性リンパ腫や口腔がん、咽頭がん、甲状腺がんなどのリンパ節転移が挙げられます。これらは感染や炎症によるリンパ節腫脹と比べると、症状の出方や経過が異なることが多いため、しっかりと見極めることが大切です。

また、自己免疫疾患や薬の副作用、全身性の感染症(伝染性単核球症など)によってリンパ節が腫れることもあります。腫れが長く続く場合には自己判断せず、医療機関に相談することが重要です。

✨ 押すと痛いのは「反応性リンパ節腫脹」がほとんど

顎下リンパ節が押すと痛む場合、最も多い原因は「反応性リンパ節腫脹(はんのうせいリンパせつしゅちょう)」と呼ばれるものです。これは、体のどこかに炎症や感染が起きたときに、免疫反応の一環としてリンパ節が腫れた状態を指します。

反応性リンパ節腫脹の特徴は、触ったときに痛みを感じること、腫れたリンパ節がある程度動くこと(可動性がある)、皮膚への癒着がないこと、そして原因となる感染や炎症が治まれば腫れも自然に引くことです。

押すと痛い、という感覚があること自体は、必ずしも悪い病気のサインではありません。むしろ、痛みがあるリンパ節腫脹の多くは炎症性であり、悪性の場合は初期に痛みを伴わないことが多いとされています。ただし、これはあくまで傾向の話であり、必ずしもすべての場合に当てはまるわけではありません。

反応性リンパ節腫脹と判断される場合、原因となる炎症や感染が適切に治療されれば、数日から2〜3週間でリンパ節の腫れは改善することが一般的です。ただし、それ以上腫れが続く場合や他の症状が伴う場合には、別の原因を疑う必要があります。

🔍 風邪・咽頭炎・扁桃炎による顎下リンパ節の腫れ

顎下リンパ節が腫れる最も一般的な原因の一つが、風邪(上気道炎)や咽頭炎、扁桃炎などの感染症です。これらはウイルスや細菌によって引き起こされることが多く、のどの痛み、発熱、鼻水などの症状と一緒に、顎の下が腫れて押すと痛いという状態になります。

のどや扁桃腺(口蓋扁桃)は顎下リンパ節のすぐそばに位置しており、そこで起きた炎症の情報はダイレクトにリンパ節に伝わります。特に扁桃炎は顎下リンパ節が大きく腫れやすく、触ると明らかにわかるほど腫大することもあります。

伝染性単核球症(でんせんせいたんかくきゅうしょう)も注意が必要な感染症の一つです。EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)が原因で、特に若い世代に多く見られます。高熱、強いのどの痛み、リンパ節の広範な腫れ(頸部全体)、肝臓・脾臓の腫れなどが特徴です。伝染性単核球症は「キス病」とも呼ばれ、唾液を介して感染するため、若い世代での流行が知られています。

これらの感染症による顎下リンパ節の腫れは、感染が治まれば自然に改善することがほとんどです。細菌性の扁桃炎や咽頭炎の場合は抗菌薬が有効であり、医師の診断・処方に従って治療を進めることが大切です。

Q. 顎下リンパ節の腫れと顎下腺の病気はどう見分けますか?

顎下腺の病気(顎下腺炎・唾石症)は、食事のときに腫れや痛みが強くなるという特徴があります。一方、リンパ節腫脹は食事との関連性が低いことが多いです。両者は位置が非常に近く自己判断は難しいため、腫れが続く場合は超音波検査などで専門医に確認してもらうことが重要です。

💪 歯や歯茎の炎症が原因になることも

顎下リンパ節が押すと痛い原因として、意外と見落とされがちなのが歯や歯茎のトラブルです。虫歯(齲歯)が進行して歯の根の先まで炎症が及ぶと、根尖病巣(こんせんびょうそう)と呼ばれる状態になり、顎下リンパ節が腫れることがあります。

歯周病も同様に、慢性的な歯茎の炎症が顎下リンパ節に影響を与えることがあります。特に下の前歯から奥歯にかけての歯や歯茎の炎症は、顎下リンパ節に直接的に影響しやすい部位です。

親知らず(第三大臼歯)の周囲炎も、顎下リンパ節腫脹の原因となりやすいです。親知らずが正常に生えてこない場合、歯茎との間に細菌が繁殖しやすく、智歯周囲炎(ちしちゅういえん)と呼ばれる炎症が起きます。これが進行すると、顎下リンパ節が腫れて痛むほか、口が開けにくくなったり、炎症が広がったりする場合もあります。

歯や歯茎の炎症による顎下リンパ節腫脹は、歯科や口腔外科での治療が必要です。原因となる歯の治療が進めば、リンパ節の腫れも落ち着いてくることが多いです。のどや風邪の症状がないのに顎下リンパ節が腫れている場合は、歯や歯茎のトラブルを疑ってみることも重要です。

🎯 唾液腺の病気(顎下腺炎・唾石症)との違い

顎下部の腫れや痛みを感じたとき、リンパ節の問題なのか、唾液腺(顎下腺)の問題なのかを区別することが大切です。顎下腺は顎下リンパ節と非常に近い場所にあるため、見た目や触り心地だけでは区別が難しいことがあります。

顎下腺炎(がくかせんえん)は、顎下腺に細菌やウイルスが感染して炎症が起きた状態です。食事をしたときに痛みや腫れが強くなる、という特徴があります。これは食事の際に唾液が大量に分泌されようとするため、炎症のある部位に負荷がかかるためです。

唾石症(だせきしょう)は、唾液腺や唾液管の中にカルシウムなどが固まって石(唾石)ができ、唾液の流れを妨げる病気です。顎下腺に最も多く見られます。食事のときに顎の下が急激に腫れて痛む(食事性腫脹)のが典型的な症状で、食後しばらくすると腫れが引くことが多いです。

リンパ節腫脹との違いとして、唾液腺の病気は食事との関連性が強く、舌の下に唾液の流れが悪くなることで口の中が乾く感覚を伴うこともあります。また、唾石症では舌の下の開口部付近に石が触れることもあります。

いずれの場合も、自己判断は難しいため、顎の下の腫れや痛みが続く場合は医療機関を受診し、必要に応じて超音波検査やCT検査などで原因を調べてもらうことが重要です。

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💡 口腔内や咽頭のがんとの関連性

顎下リンパ節が腫れる原因として、頻度は低いものの、口腔がん(舌がん、歯肉がん、口底がん、頬粘膜がんなど)や咽頭がん、口腔底がんなどの悪性腫瘍によるリンパ節転移が考えられます。

口腔がんや咽頭がんは、初期段階では痛みがないことも多く、気づかれにくいことがあります。舌や歯茎、頬の粘膜などに2週間以上治らない潰瘍(口内炎のようなもの)がある、白い斑点(白板症)や赤い斑点(紅板症)が口の中にできている、という場合は注意が必要です。

がんによるリンパ節転移の場合、リンパ節は硬く触れることが多く、動きにくい(周囲との癒着がある)という特徴があります。また、炎症によるリンパ節腫脹と異なり、時間が経っても腫れが引かない、徐々に大きくなるという経過をたどります。

甲状腺がんも顎下リンパ節に転移することがあります。甲状腺はのどの前面に位置し、がんが進行するとリンパ節への転移が起きることがあります。甲状腺の腫れや、のどの違和感、声のかすれなどを伴うことがあります。

がんによるリンパ節転移は早期発見が非常に重要です。顎下リンパ節の腫れが数週間以上続き、特に以下のような症状が伴う場合は、速やかに医療機関を受診することを強くお勧めします。

Q. 悪性リンパ腫が疑われるリンパ節腫れの特徴は何ですか?

悪性リンパ腫によるリンパ節腫脹は、複数部位が同時に腫れる、押しても痛みがない、ゴム状の弾力感がある、といった特徴があります。また、38度以上の原因不明の発熱・急激な体重減少・夜間の大量の寝汗(B症状)を伴う場合は特に注意が必要で、早めに血液内科を受診してください。

📌 悪性リンパ腫はどんな症状?

悪性リンパ腫は、リンパ球ががん化して起こる血液のがんの一種です。リンパ節自体がが腫れることが主な症状であるため、顎下リンパ節が腫れる原因として重要な疾患の一つです。

悪性リンパ腫は大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」に分類されます。日本では非ホジキンリンパ腫が圧倒的に多く、その中でもびまん性大細胞型B細胞リンパ腫が最も多い種類です。

悪性リンパ腫によるリンパ節腫脹の特徴としては、複数の部位のリンパ節が同時に腫れる(首だけでなく、わきや脚の付け根など)、リンパ節は弾力があってゴムのような触り心地、痛みがないことが多い、ゆっくりと大きくなる(あるいは急速に増大する)、などが挙げられます。

全身症状として、B症状と呼ばれる3つの症状——原因不明の発熱(38度以上)、体重の10%以上の急激な体重減少、夜間の大量の寝汗——が出現することがあります。これらの症状が見られる場合は、特に注意が必要です。

悪性リンパ腫は血液内科や腫瘍内科での診断・治療が行われます。診断には血液検査、CT検査、PET検査、そして最終的にはリンパ節の生検(組織を取って顕微鏡で調べる)が必要です。早期に発見・治療を開始することで、治癒が見込める病気でもあります。

✨ 子どもと大人で違う?年齢別の注意ポイント

顎下リンパ節の腫れは年齢によって、原因や考えるべきことが異なります。それぞれの年代特有の注意点を理解しておきましょう。

子どもの場合、顎下リンパ節が腫れる原因の大部分は感染症によるものです。特に就学前の幼児は免疫システムが発達途中にあり、さまざまなウイルスや細菌に初めて感染する機会が多いため、リンパ節が腫れやすい傾向があります。幼稚園や保育園での集団生活による感染も多く、発熱や鼻水などの症状と一緒にリンパ節が腫れることがよくあります。

子どもの場合に注意したいのは、川崎病です。川崎病は5歳以下の乳幼児に多く見られる原因不明の全身血管炎で、5日以上続く高熱、目の充血(両目)、口唇の赤み・亀裂、苺舌、体の発疹、手足の腫れ・皮膚の剥離、頸部リンパ節の腫脹などが症状として現れます。心臓の冠動脈に影響が出ることがあるため、早期の診断と治療が重要です。

若い世代(10代〜20代)では、前述の伝染性単核球症(EBウイルス感染)が顎下リンパ節腫脹の原因として重要です。また、ホジキンリンパ腫は若年成人に比較的多く見られる悪性リンパ腫の一種であり、頸部リンパ節の無痛性腫脹を主な症状とします。

中高年以降では、悪性腫瘍(がん)によるリンパ節腫脹のリスクが高まります。口腔がんや咽頭がん、唾液腺がん、甲状腺がんなどの可能性が若い世代よりも相対的に高くなります。特に、喫煙や多量の飲酒の習慣がある方は口腔・咽頭がんのリスクが高いとされています。

高齢者では、免疫機能の低下により感染症が重症化しやすいことに加え、悪性リンパ腫の発症率も年齢とともに上昇する傾向があります。腫れが長く続く場合は、年齢に関わらず専門医への相談が大切ですが、中高年以降は特に早めの受診を心がけてください。

🔍 こんな症状があれば要注意——受診の目安

顎下リンパ節の腫れや痛みがあるとき、すべてのケースで緊急に受診が必要というわけではありませんが、以下のような場合には早めに医療機関を受診することをお勧めします。

まず、腫れが2〜4週間以上続く場合は受診の目安となります。風邪などによる一時的な腫れであれば、通常は2〜3週間以内に改善します。それ以上腫れが引かない場合は、別の原因を考える必要があります。

リンパ節が急速に大きくなっている場合も要注意です。数日のうちに急激に腫れが大きくなる場合は、急性の感染症の可能性もありますが、悪性腫瘍の急速な増大も考えられます。

リンパ節が硬く、周囲に固定されている(動かない)と感じる場合、悪性腫瘍によるリンパ節転移や悪性リンパ腫の可能性があります。反応性リンパ節腫脹では、通常リンパ節はある程度動きます。

高熱が続く、体重が急激に減少している、夜間に大量の汗をかく、という全身症状がある場合も受診が必要です。これらは悪性リンパ腫のB症状として知られており、放置は禁物です。

口の中に2週間以上治らない潰瘍や、白い・赤い斑点がある場合は、口腔がんの可能性を否定するために専門家の診察を受けることが大切です。

リンパ節の腫れに加えて、声のかすれ、嚥下困難(ものを飲み込みにくい)、耳の痛み、鼻づまりや鼻血などの症状が伴う場合も、咽頭や鼻咽腔の病変が関与している可能性があります。

逆に、風邪の症状(発熱、鼻水、のどの痛み)とともに顎下リンパ節が腫れ、数日〜2週間程度で症状が改善してきているなら、感染症への正常な免疫反応である可能性が高く、急いで受診しなくてもよい場合もあります。ただし、不安であれば遠慮なく受診することをお勧めします。

Q. 顎下リンパ節の腫れはどんな症状のとき病院へ行くべきですか?

顎下リンパ節の腫れが2〜4週間以上続く場合、リンパ節が硬く動かない場合、急激に大きくなる場合、発熱・体重減少・夜間の寝汗などの全身症状がある場合は早めに受診が必要です。また口の中に2週間以上治らない潰瘍や白・赤い斑点がある場合も、口腔がんの可能性があるため専門医への相談をお勧めします。

💪 何科を受診すればよいか

顎下リンパ節の腫れや痛みで受診する際、どの科に行けばよいか迷う方も多いと思います。症状や状況によって適切な診療科が異なりますので、以下を参考にしてください。

まず最初の相談先として最もアクセスしやすいのは、内科や耳鼻咽喉科です。内科では全身的な観点から診てもらえますし、耳鼻咽喉科は顎下リンパ節の腫れに対する専門的な診察・検査を行える科です。のど、耳、鼻の症状を伴う場合は特に耳鼻咽喉科が適しています。

歯や歯茎の問題が原因と考えられる場合は歯科または口腔外科を受診してください。虫歯や歯周病、親知らずの炎症などは、歯科医師による適切な治療が必要です。

口の中(舌、歯茎、頬の粘膜など)に気になる変化がある場合、口腔外科や口腔腫瘍を専門とする施設での受診をお勧めします。口腔がんの早期発見・早期治療のためには、専門医による診察が欠かせません。

悪性リンパ腫が疑われる場合(複数部位のリンパ節腫脹、B症状がある場合など)は、血液内科や腫瘍内科が専門です。

甲状腺の問題が疑われる場合は内分泌内科や甲状腺専門クリニックへ。頭頸部のがんが疑われる場合は頭頸部外科や耳鼻咽喉科の腫瘍専門外来が適しています。

どこに行けばよいかわからない場合は、まずかかりつけ医(内科)に相談するのが無難です。かかりつけ医が必要に応じて専門科へ紹介してくれます。

なお、子どもの場合は小児科を受診するのが最初のステップとして適切です。小児科医が必要に応じて耳鼻咽喉科や血液内科などへの紹介を行います。

🎯 自宅でできるケアと注意点

医療機関を受診する前、または受診後に自宅でできるケアについても知っておきましょう。ただし、自己ケアはあくまで補助的なものであり、症状が気になる場合は医療機関への相談を優先してください。

風邪などの感染症による顎下リンパ節の腫れに対しては、十分な休息と睡眠、水分補給、栄養のある食事が基本です。免疫システムが適切に機能するためには、体を十分に休めることが重要です。

痛みや発熱に対しては、市販の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)を用法・用量を守って使用することができます。ただし、原因が明確でない場合や症状が重い場合は、自己判断での市販薬使用に頼りすぎず医療機関を受診してください。

リンパ節の腫れが痛む場合、温めるとよいと思う方もいるかもしれませんが、急性炎症の場合は熱感があることも多く、温めることで炎症が悪化する場合があります。冷やすことも積極的に推奨されるわけではなく、基本的には患部を過度に刺激しないことが大切です。

口腔内の衛生状態を良好に保つことも重要です。丁寧な歯磨き、フロスの使用、うがいなどで口の中を清潔に保つことで、口腔内の細菌増殖を抑え、歯周病や歯の炎症を予防することができます。これはリンパ節腫脹の予防にもつながります。

喫煙は口腔がんのリスクを大幅に高めることが知られています。また、大量飲酒との組み合わせでリスクはさらに上昇します。リンパ節腫脹の予防という観点からも、禁煙・節酒を心がけることが大切です。

一方で、絶対にしてはいけないこととして、腫れたリンパ節を強く押したり揉んだりすることが挙げられます。強い刺激を与えることで炎症が悪化したり、感染が周囲に広がったりする可能性があります。リンパ節の腫れを確認するために触れる程度は問題ありませんが、強い圧力をかけることは避けてください。

また、「様子を見ていれば治るだろう」と長期間放置することも避けてください。悪性腫瘍や重篤な感染症の場合、早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。前述した受診の目安を参考に、適切なタイミングで専門家の診察を受けることを心がけてください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、顎下のしこりや押すと痛いという訴えで受診される患者様の多くは、風邪や扁桃炎、歯茎の炎症など感染・炎症が原因の反応性リンパ節腫脹であり、適切な治療により数週間以内に改善するケースがほとんどです。ただし、腫れが2〜4週間以上続く場合や、リンパ節が硬く動きにくい場合、発熱・体重減少・夜間の寝汗といった全身症状を伴う場合は、悪性リンパ腫やがんの転移など見逃せない疾患が隠れていることもあるため、「様子を見ればいつか治るだろう」と安易に放置せず、早めにご相談いただくことをお勧めします。どの科を受診すべきか迷われた際も、まずはお気軽にご来院ください。丁寧な診察と必要に応じた検査で、原因を一緒に探っていきます。」

💡 よくある質問

顎下リンパ節が押すと痛い場合、悪性疾患の可能性はありますか?

押すと痛みがある場合、多くは風邪や扁桃炎などの炎症による「反応性リンパ節腫脹」です。悪性疾患では初期に痛みがないことが多いとされています。ただし、これはあくまで傾向であり、2〜4週間以上腫れが続く場合や、リンパ節が硬く動かない場合は医療機関への受診をお勧めします。

顎下リンパ節の腫れはどのくらいで治りますか?

風邪や扁桃炎などの感染症が原因の場合、適切な治療や休養により、通常は数日から2〜3週間以内に改善することがほとんどです。ただし、それ以上腫れが引かない場合は別の原因が考えられるため、医療機関を受診して原因を調べることが大切です。

顎下リンパ節の腫れで受診すべき診療科はどこですか?

症状によって異なりますが、まず内科や耳鼻咽喉科への受診が一般的です。歯や歯茎の痛みを伴う場合は歯科・口腔外科、悪性リンパ腫が疑われる場合は血液内科が専門です。どの科を受診すべきか迷った場合は、かかりつけ医に相談すると適切な専門科へ紹介してもらえます。

リンパ節の腫れと顎下腺の病気はどう見分けますか?

顎下腺の病気(顎下腺炎・唾石症)では、食事のときに腫れや痛みが強くなるという特徴があります。一方、リンパ節腫脹は食事との関連性が低いことが多いです。ただし、両者は位置が非常に近く自己判断は難しいため、腫れが続く場合は超音波検査などで専門医に確認してもらうことをお勧めします。

顎下リンパ節の腫れで、すぐに病院へ行くべき症状は何ですか?

以下の場合は早めに受診してください。①腫れが2〜4週間以上続く、②リンパ節が硬く動かない、③急激に大きくなっている、④原因不明の発熱・急激な体重減少・夜間の大量の寝汗がある、⑤口の中に2週間以上治らない潰瘍や白・赤い斑点がある。これらは悪性リンパ腫やがんなど重篤な疾患のサインである可能性があります。

📌 まとめ

顎下リンパ節が押すと痛い原因は、風邪や扁桃炎などの感染症によるものが最も多く、多くの場合は適切な治療や休養により数週間以内に改善します。しかし、腫れが長く続く場合や、硬くて動かないリンパ節、全身症状を伴う場合などは、悪性リンパ腫やがんなど、より重篤な疾患の可能性も考えられます。

顎下リンパ節の腫れや痛みの主な原因をまとめると、以下のようになります。感染症(風邪、扁桃炎、咽頭炎、伝染性単核球症など)、歯・歯茎の炎症(虫歯、歯周病、親知らずの周囲炎)、唾液腺の病気(顎下腺炎、唾石症)、悪性リンパ腫、口腔・咽頭・甲状腺がんのリンパ節転移、自己免疫疾患、川崎病(特に小児)などが考えられます。

押すと痛みがあること自体は炎症性の変化によることが多く、必ずしも悪性疾患を意味しません。しかし、2〜4週間以上腫れが続く場合、急速に大きくなる場合、リンパ節が硬く固定されている場合、全身症状(高熱、体重減少、夜間の寝汗)を伴う場合、口の中に治らない潰瘍や異変がある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。

受診する診療科は、症状によって内科、耳鼻咽喉科、歯科・口腔外科、血液内科などが選択肢になります。迷ったときは、まずかかりつけ医に相談してみてください。自己判断での放置は避け、気になる症状があれば早めに専門家に相談することが、健康を守るための最善の方法です。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 口腔がん・悪性リンパ腫などのがん情報、およびリンパ節腫脹に関連する疾患の診断・治療に関する公式情報
  • 国立感染症研究所 – 伝染性単核球症(EBウイルス感染症)・扁桃炎・風邪などの感染症によるリンパ節腫脹の原因疾患に関する疫学・感染症情報
  • PubMed – 顎下リンパ節腫脹の原因・鑑別診断・悪性リンパ腫・反応性リンパ節腫脹に関する国際的な医学文献・エビデンス情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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