
💡 耳の裏にしこりを発見したら、この記事を読まないと後悔するかもしれません。
「たぶん大丈夫」と放置した結果、重大な病気が隠れていたケースも。
この記事では、耳の裏のしこりが「押すと痛い」「痛くない」「1か月以上続く」などの症状別に、原因・受診すべきタイミングをわかりやすく解説します。
- 受診が遅れて治療が長引く
- 悪性疾患を見逃すリスク
- 症状が悪化して手術が必要になることも
- 📌 しこりの原因(リンパ節炎・粉瘤・耳下腺など)
- 📌 すぐ受診すべき危険なサイン
- 📌 何科に行けばいいか
- 📌 自宅でできるセルフチェック法
目次
- 耳の裏のしこりとは?まず知っておきたい基礎知識
- 耳の裏にしこりができる主な原因
- 押すと痛い場合に考えられる疾患
- 押しても痛くないしこりとの違い
- 耳の裏のしこりに伴うその他の症状と注意点
- 自宅でできるセルフチェックの方法
- 何科を受診すればよいか
- 病院での診察・検査の流れ
- 放置が危険なケースとは
- 日常生活での予防と注意点
- まとめ
この記事のポイント
耳の裏のしこりを押すと痛い場合、リンパ節炎や炎症性粉瘤が主な原因。急速な増大・発熱・顔面神経麻痺・1か月以上の持続は放置が危険なため、皮膚科または耳鼻咽喉科への早期受診が推奨される。
💡 1. 耳の裏のしこりとは?まず知っておきたい基礎知識
耳の裏側(耳介後部)には、リンパ節や皮脂腺、毛包など、さまざまな組織が集まっています。このエリアは頭部・顔面・頸部のリンパ流の通り道にあたるため、体内で何らかの炎症や感染が起きたとき、最初にサインが現れやすい部位のひとつです。
しこりとは、皮膚の下に生じた腫瘤(しゅりゅう)の総称です。硬さ、大きさ、動き具合、痛みの有無など、さまざまな特徴によって原因が異なります。耳の裏のしこりは、良性のものがほとんどですが、稀に悪性腫瘍や深刻な感染症のサインであることもあるため、正しい知識を持っておくことが大切です。
特に「押すと痛い」という症状は、しこりに炎症が起きているサインであることが多く、感染やリンパ節炎などを示唆する重要な手がかりになります。痛みのないしこりと比べて、受診を急ぐべきケースも少なくありません。
Q. 耳の裏のしこりを押すと痛い主な原因は?
耳の裏のしこりを押すと痛い場合、炎症が起きているサインであることが多く、主な原因はリンパ節炎と炎症性粉瘤です。細菌やウイルス感染で耳介後リンパ節が腫れる急性リンパ節炎や、粉瘤が細菌感染を起こした炎症性粉瘤が代表的です。
📌 2. 耳の裏にしこりができる主な原因
耳の裏にしこりが生じる原因は多岐にわたります。ここでは代表的なものをひとつずつ解説します。
✅ リンパ節腫脹(リンパ節の腫れ)
耳の裏には耳介後リンパ節と呼ばれるリンパ節があります。風邪やインフルエンザ、扁桃炎などの感染症にかかったとき、または頭皮や耳の炎症・感染が起きたときに、このリンパ節が腫れることがあります。リンパ節は免疫機能の一部であり、体が外敵と戦っているサインとして腫れるため、感染が治まれば自然に縮小することが多いです。
ただし、リンパ節の腫れが長期間続いたり、急速に大きくなったりする場合は、悪性リンパ腫などの疾患も考える必要があります。
📝 粉瘤(ふんりゅう・アテローム)
粉瘤は、皮膚の下に角質や皮脂が溜まった袋状の良性腫瘍です。耳の裏は皮脂腺が多く、粉瘤ができやすい部位のひとつです。通常は痛みがありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ、押すと強い痛みを感じるようになります。この状態を「炎症性粉瘤」と呼び、膿が溜まって波動感(ぶにぶにした感触)を伴うこともあります。
粉瘤は自然治癒しない疾患であり、根治には手術による摘出が必要です。感染を繰り返す前に、早めに皮膚科を受診することが推奨されます。
🔸 脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫は脂肪組織が増殖した良性腫瘍です。柔らかく、皮膚の下でよく動くのが特徴で、多くの場合は痛みを伴いません。ただし、大きくなった場合や炎症を起こした場合は、押すと不快感や痛みを感じることがあります。悪性化することはほとんどないとされていますが、増大傾向がある場合は精査が必要です。
⚡ 耳下腺・唾液腺の疾患
耳の近くには耳下腺(じかせん)という唾液腺が存在します。耳下腺炎(流行性耳下腺炎、いわゆるおたふく風邪)や細菌性耳下腺炎、耳下腺腫瘍などが起きると、耳の前後に腫れやしこりとして現れることがあります。耳下腺炎では発熱や食事時の痛みが伴うことが多いです。
🌟 皮膚線維腫・その他の皮膚腫瘍
皮膚線維腫は、皮膚の真皮層に生じる良性の線維性腫瘍です。硬くて境界がはっきりしており、皮膚に固着しているのが特徴です。通常は無症状ですが、刺激を与えると痛みを感じることがあります。また、脂漏性角化症(いぼ状の良性皮膚腫瘍)なども耳の裏に生じることがあります。
💬 外傷や術後の瘢痕
ピアスの穴あけ後やケガ、以前に受けた手術の傷口が瘢痕(はんこん)化したり、ケロイドになったりすることがあります。ケロイドは特に耳に生じやすく、押すと痛みを伴うことがあります。
✨ 3. 押すと痛い場合に考えられる疾患
耳の裏のしこりを押すと痛い場合、炎症や感染が関与している可能性が高いです。以下に代表的な疾患を詳しく解説します。
✅ 急性リンパ節炎
細菌やウイルスの感染に伴い、耳介後リンパ節が急性炎症を起こした状態です。しこりが急に大きくなり、触ると強い痛みを感じます。発熱、倦怠感、周囲の皮膚の発赤・熱感を伴うことも多く、早めの受診と抗生物質などによる治療が必要です。
原因となる感染源として多いのは、耳の炎症(外耳炎・中耳炎)、頭皮の毛囊炎、ニキビ、虫刺されの二次感染などです。
📝 炎症性粉瘤(感染粉瘤)
前述のとおり、粉瘤が細菌感染を起こした状態です。急速に赤く腫れ上がり、押すと激しい痛みを感じます。中に膿が溜まると波動感が生じ、自然に破れて排膿することもあります。炎症が強い場合は、切開・排膿処置が必要になります。感染が落ち着いた後に、根治のため粉瘤の袋ごと摘出する手術を行うことが一般的です。
🔸 外耳炎・中耳炎の波及
外耳道や中耳に起きた炎症が耳の後方(乳様突起部)に波及すると、耳の裏側に痛みや腫れが現れることがあります。特に「乳様突起炎(にゅうようとっきえん)」は、中耳炎が悪化して乳様突起(耳の後ろの骨)にまで炎症が及んだ状態で、高熱・耳痛・耳介の前方への突出などを伴い、入院加療が必要になることもある重篤な疾患です。
⚡ 帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
水痘・帯状疱疹ウイルスが耳周囲の神経(顔面神経・聴神経)に感染・再活性化すると、耳周囲や耳の裏に強い痛みを伴うしこりや水疱が現れることがあります。ラムゼイ・ハント症候群では、耳の痛みに加えて顔面神経麻痺(口や目が動かしにくくなる)、難聴、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。早期に抗ウイルス薬を使用することが重要で、発症から72時間以内の治療開始が予後に大きく関わります。
🌟 毛囊炎・おできの二次感染
耳の裏の毛穴に細菌が感染して毛囊炎(もうほうえん)やおでき(せつ)ができると、小さな硬いしこりが生じ、押すと鋭い痛みを感じます。軽症であれば自然に排膿して治まることもありますが、悪化すると蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる皮膚・皮下組織の広範な感染症に発展することがあるため、注意が必要です。
Q. 耳の裏のしこりで緊急受診が必要な症状は?
耳の裏のしこりで緊急受診が必要なのは、①数日で急速に大きくなる、②38度以上の発熱を伴う、③顔面神経麻痺・突然の難聴・めまいがある場合です。特に顔面神経麻痺は発症72時間以内の治療開始が回復に大きく影響するため、その日のうちに耳鼻咽喉科を受診してください。
🔍 4. 押しても痛くないしこりとの違い
耳の裏のしこりは、痛みの有無によってある程度原因を絞り込むことができます。押しても痛みを感じないしこりには、以下のようなものが多いです。
粉瘤の初期段階(感染前)は、表面が滑らかで押しても痛みがなく、「中心部に黒い点(毛穴の開口部)がある」のが典型的な特徴です。脂肪腫は柔らかく動きやすく、無痛のことがほとんどです。リンパ節は感染が治まった後も数週間から数か月、小さなしこりとして残ることがありますが、この時期は痛みを感じないことが多いです。
一方で、悪性リンパ腫や転移性リンパ節(他のがんが転移したもの)の場合、しこりは硬く、皮膚や周囲の組織に癒着して動きが悪いのが特徴で、初期には痛みを感じないことが多いです。「痛みがないから大丈夫」と自己判断して放置するのは危険です。しこりの大きさが2センチ以上、急速に大きくなる、複数あるなどの場合は、痛みがなくても必ず受診してください。
💪 5. 耳の裏のしこりに伴うその他の症状と注意点
しこりの痛みだけでなく、以下のような症状を伴う場合は特に注意が必要です。受診の際には、これらの症状の有無や始まった時期も合わせて医師に伝えるようにしましょう。
💬 発熱を伴う場合
耳の裏のしこりとともに38度以上の発熱がある場合は、細菌感染によるリンパ節炎や乳様突起炎、あるいは全身性の感染症の可能性があります。発熱とともにしこりが急速に大きくなっている場合は、救急受診も検討してください。
✅ 耳から分泌物・出血がある場合
耳だれ(耳漏)や出血を伴う場合は、中耳炎・外耳炎・耳の腫瘍などが疑われます。特に長期間続く耳だれや血性の分泌物は、耳の悪性腫瘍の可能性もあるため、早急に耳鼻咽喉科を受診してください。
📝 難聴・耳鳴り・めまいを伴う場合
これらの症状はラムゼイ・ハント症候群や内耳炎のサインである可能性があります。特に突然の難聴やめまいは緊急性が高く、速やかに耳鼻咽喉科を受診する必要があります。
🔸 顔面の動きが悪くなった場合
口が曲がる、目が閉じにくくなるなどの顔面神経麻痺の症状は、ラムゼイ・ハント症候群や耳下腺腫瘍などで見られることがあります。顔面神経麻痺は発症から早期に治療を開始するほど回復が良好なため、緊急受診が必要です。
⚡ しこりが数週間以上続く・大きくなる場合
感染症が原因のリンパ節腫脹であれば、通常2〜4週間程度で縮小します。しかし、4週間以上経過してもしこりが残る、あるいはどんどん大きくなる場合は、悪性疾患の可能性を含めて精査が必要です。
🎯 6. 自宅でできるセルフチェックの方法
耳の裏のしこりに気づいたとき、まず自分でどのような点を確認すれば良いかを解説します。ただし、セルフチェックはあくまでも受診の目安を確認するためのものであり、自己診断・自己治療には限界があります。気になる場合は必ず医療機関を受診してください。
🌟 しこりの大きさを確認する
指先で触れて、大まかな大きさを確認します。1センチ以下の小さなしこりであれば、感染に伴う一時的なリンパ節腫脹である可能性が高いです。2センチ以上のしこりや、急速に大きくなっているものは要注意です。
💬 しこりの硬さと動きを確認する
柔らかくてよく動くものは脂肪腫の可能性が高く、比較的良性のことが多いです。硬くて周囲に固着して動きにくいものは、悪性疾患や炎症が進んだリンパ節炎のサインであることがあります。
✅ 皮膚の表面を確認する
中心部に小さな穴や黒い点がある場合は粉瘤の可能性が高いです。赤みや熱感、水疱がある場合は感染や帯状疱疹が疑われます。皮膚の色に変化がなく、表面が滑らかな場合は良性腫瘍であることが多いです。
📝 いつから・どのように始まったかを振り返る
風邪や感染症の後にできたのか、ピアスをしている穴の近くなのか、頭皮に炎症があったのかなど、しこりができるきっかけを振り返ることで原因の絞り込みに役立ちます。受診の際も、これらの情報を伝えると診断の助けになります。
🔸 絶対にやってはいけないこと
自分でしこりを無理に潰したり、針などで刺したりすることは絶対に避けてください。粉瘤や毛囊炎の場合、潰そうとすることで感染が拡大し、蜂窩織炎や瘢痕(傷跡)の原因になります。また、繰り返し強く押したり揉んだりすることも、炎症を悪化させるリスクがあります。
Q. 耳の裏のしこりは何科を受診すべきか?
耳の裏のしこりは症状によって受診科が異なります。粉瘤・脂肪腫など皮膚・皮下組織が原因と思われる場合は皮膚科、耳の痛み・難聴・めまい・顔面神経麻痺を伴う場合は耳鼻咽喉科が適切です。判断に迷う場合はかかりつけ医に相談し、専門科へ紹介してもらう方法もあります。
💡 7. 何科を受診すればよいか
耳の裏のしこりは、症状や原因によって受診すべき診療科が異なります。以下を参考に、適切な科を受診してください。
⚡ 皮膚科
粉瘤、脂肪腫、皮膚線維腫、毛囊炎、ケロイドなど、皮膚・皮下組織に原因があると思われる場合は皮膚科が適しています。しこりの切除や炎症の治療も皮膚科で対応してもらえます。アイシークリニック新宿院のような皮膚科・形成外科系のクリニックでは、粉瘤の摘出術なども対応しており、日帰り手術が可能なことが多いです。
🌟 耳鼻咽喉科
耳の痛み・耳だれ・難聴・めまい・顔面神経麻痺などを伴う場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。中耳炎・外耳炎・乳様突起炎・ラムゼイ・ハント症候群・耳下腺疾患などは耳鼻咽喉科の専門分野です。
💬 形成外科・外科
しこりの手術的切除が必要な場合や、ケロイドの治療、外傷後の瘢痕処置などは形成外科が専門です。外科系クリニックでも対応してもらえることがあります。
✅ 内科・血液内科
複数の部位のリンパ節腫脹、発熱・体重減少・寝汗など全身症状を伴う場合は、悪性リンパ腫などの血液疾患を疑い、内科や血液内科への受診が必要です。かかりつけ医に相談し、専門科へ紹介してもらうのも良い方法です。
📝 判断に迷ったら
どの科を受診すれば良いかわからない場合は、まずかかりつけの内科やクリニックに相談することをおすすめします。診察の上、必要に応じて専門科に紹介してもらえます。また、皮膚科でも問診や視診で「耳鼻科受診が必要」と判断した場合には、適切に紹介してもらえることがほとんどです。
📌 8. 病院での診察・検査の流れ
受診した際、どのような診察・検査が行われるのかを知っておくと、不安なく医療機関を訪れることができます。
🔸 問診
しこりに気づいた時期、大きさや硬さの変化、痛みの程度、発熱などの全身症状、最近の感染症の有無、ピアスや外傷の有無、既往歴(過去の疾患)などについて質問されます。できるだけ詳しく伝えることで、診断精度が上がります。
⚡ 視診・触診
医師が直接しこりを観察・触診します。しこりの大きさ、硬さ、皮膚との癒着具合、波動感の有無、周囲の皮膚の状態などを確認します。これだけで診断がつくことも多くあります。
🌟 超音波検査(エコー検査)
超音波を使ってしこりの内部構造を確認する検査です。リンパ節腫脹と粉瘤・脂肪腫などの鑑別、内部に液体(膿)が貯留しているかどうかの確認などに役立ちます。痛みや放射線被曝がなく、外来で手軽に行えます。
💬 血液検査

白血球数やCRP(炎症の指標)、EBウイルス・サイトメガロウイルスなどの感染症の抗体検査が行われることがあります。悪性リンパ腫が疑われる場合は、LDH(乳酸脱水素酵素)なども調べます。
✅ CT・MRI検査
しこりが深部にある場合、複数のリンパ節が腫れている場合、悪性疾患が疑われる場合には、CTやMRIによる画像検査が行われることがあります。これにより、しこりの広がりや周囲の組織との関係を詳しく評価します。
📝 細胞診・生検
悪性腫瘍が疑われる場合や、他の検査で診断がつかない場合は、しこりに細い針を刺して細胞を採取する穿刺細胞診や、しこりの一部を切除して病理組織検査(生検)を行うことがあります。確定診断のために必要な検査です。
Q. 耳の裏のしこりを自分で潰してよいか?
耳の裏のしこりを自分で潰すことは絶対に避けてください。粉瘤や毛囊炎を無理に潰すと細菌感染が周囲に拡大し、広範な皮膚感染症である蜂窩織炎や瘢痕の原因になります。繰り返し強く押したり揉んだりすることも炎症を悪化させるリスクがあるため、皮膚科での適切な処置を受けることが重要です。
✨ 9. 放置が危険なケースとは
耳の裏のしこりの多くは良性疾患ですが、以下のような状態が当てはまる場合は、放置せずに速やかに受診してください。
🔸 しこりが急速に大きくなっている
数日から1〜2週間で目に見えて大きくなっている場合は、急性の感染症か、悪性腫瘍の可能性があります。特に発熱を伴う場合は感染症、発熱を伴わない場合は悪性腫瘍のリスクが高まります。
⚡ 1か月以上しこりが消えない
感染症後のリンパ節腫脹は通常4〜6週間以内に縮小します。それ以上経過してもしこりが残る場合は、悪性疾患や結核性リンパ節炎などの慢性感染症の可能性を考える必要があります。
🌟 発熱・体重減少・寝汗が続く場合
これらは「B症状」と呼ばれ、悪性リンパ腫などの血液腫瘍でよく見られる全身症状です。リンパ節の腫れと合わせてこれらの症状がある場合は、緊急度が高く、早急に受診が必要です。
💬 顔面神経麻痺・難聴を伴う場合
前述のラムゼイ・ハント症候群は、発症後早期(72時間以内)に治療を開始することが回復に大きく影響します。顔が動かしにくい・聞こえが悪いなどの症状が耳の裏の痛みと同時に現れた場合は、その日のうちに受診してください。
✅ 粉瘤の繰り返す感染
粉瘤は一度感染を起こすと繰り返しやすくなります。感染するたびに切開・排膿が必要になり、瘢痕が残りやすくなります。感染の既往がある粉瘤は、落ち着いた段階で根治手術を検討することが重要です。放置して感染を繰り返すと、最終的に大きな手術が必要になることがあります。
📝 乳様突起炎が疑われる場合
中耳炎後に耳の裏が腫れ、耳介が前方に突き出て見える場合は乳様突起炎を疑います。骨への感染であり、放置すると頭蓋内に炎症が波及し、脳膿瘍・髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす危険があります。すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
🔍 10. 日常生活での予防と注意点
耳の裏のしこりを完全に予防することは難しいですが、日常生活の中でリスクを下げるための注意点をいくつかご紹介します。
🔸 頭皮・耳周りの清潔を保つ
頭皮の毛囊炎や皮脂腺の詰まりは、粉瘤やしこりの原因になります。シャンプー時は耳の後ろまでしっかり洗い、すすぎ残しがないようにしましょう。また、洗髪後はタオルや乾燥機で耳の裏まできちんと乾かすことが大切です。湿った状態が続くと細菌が繁殖しやすくなります。
⚡ ピアスの適切なケア
ピアスホールは細菌感染や粉瘤・ケロイドの原因になりやすい部位です。ピアスをしている方は、ホールの周囲を清潔に保ち、消毒ケアを欠かさないようにしましょう。サイズが合わないピアスや素材によるアレルギー(金属アレルギー)も炎症の原因になります。ファーストピアスの期間中は特に注意が必要です。
🌟 免疫力の維持
帯状疱疹は、免疫力が低下したときに水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して起こります。睡眠不足・過度のストレス・栄養不足などが免疫力低下の原因となるため、規則正しい生活習慣を心がけることが予防につながります。また、50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されており、耳周囲の帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)の予防にも効果があるとされています。
💬 耳の中のケアに注意する
耳掃除のしすぎや綿棒の使いすぎは外耳道を傷つけ、外耳炎の原因になります。外耳炎が悪化すると耳の後ろのリンパ節が腫れることもあるため、耳掃除は月1〜2回程度に留め、過剰に行わないようにしましょう。
✅ 定期的な自己チェック
入浴時などに月1回程度、耳の後ろを軽く触って異常がないか確認する習慣をつけることをおすすめします。早期に異変に気づくことで、重症化する前に対処できます。特に粉瘤の既往がある方や、リンパ節が腫れやすい方は意識して確認しましょう。
📝 風邪・感染症の早期治療
耳の裏のリンパ節は、頭部・顔面の感染に反応して腫れることが多いです。風邪や扁桃炎、耳の炎症などを放置せず、早めに治療することで、リンパ節炎への進展を防ぐことができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の裏にしこりができたと来院される患者様の中で、炎症性粉瘤やリンパ節炎が原因であるケースが多く見られます。「押すと痛い」という症状は炎症のサインであることが多く、早めにご相談いただくことで、切開排膿や抗生物質治療など適切な処置をスムーズに行うことができます。痛みがない場合でも、しこりが長期間残る・大きくなるといった変化がある場合は自己判断せず、お気軽に受診してください。」
💪 よくある質問
押すと痛みを感じる場合、しこりに炎症が起きているサインである可能性が高いです。主な原因としてはリンパ節炎や炎症性粉瘤(感染した粉瘤)が挙げられます。細菌やウイルスの感染に伴い、耳介後リンパ節が腫れて炎症を起こすと、触れたときに強い痛みを感じます。痛みのないしこりと比べて、早めの受診が推奨されます。
症状によって受診科が異なります。粉瘤や脂肪腫など皮膚・皮下組織が原因と思われる場合は皮膚科、耳の痛み・難聴・めまい・顔面神経麻痺を伴う場合は耳鼻咽喉科が適しています。どの科に行くべか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談し、専門科へ紹介してもらう方法もおすすめです。
風邪などの感染症後に生じたリンパ節腫脹であれば、通常2〜4週間程度で自然に縮小することが多いです。ただし、1か月以上経過してもしこりが残る場合や、逆に大きくなっている場合は、悪性疾患や慢性感染症の可能性があるため、自然治癒を期待して放置せず、医療機関を受診することが重要です。
絶対に避けてください。粉瘤や毛囊炎のしこりを自分で潰そうとすると、細菌感染が周囲に拡大し、蜂窩織炎(広範な皮膚感染症)や傷跡(瘢痕)の原因になります。繰り返し強く押したり揉んだりすることも炎症を悪化させるリスクがあります。アイシークリニックでは粉瘤の適切な処置・日帰り手術に対応していますので、お気軽にご相談ください。
以下の症状がある場合は速やかに受診してください。①しこりが数日で急速に大きくなっている、②38度以上の発熱・強い痛みを伴う、③顔面神経麻痺(口や目が動かしにくい)・突然の難聴・めまいを伴う、④耳の裏の皮膚が赤く腫れ上がっている。特に顔面神経麻痺は発症72時間以内の治療開始が回復に大きく影響するため、その日のうちに受診することが重要です。
🎯 まとめ
耳の裏のしこりを押すと痛い場合、最も多い原因はリンパ節炎や炎症性粉瘤ですが、帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)、乳様突起炎、さらには悪性リンパ腫なども原因として考えられます。
しこりの大きさ、硬さ、動き具合、痛みの程度、経過時間など、複数の要素を組み合わせて判断することが大切です。以下のような場合は特に速やかな受診が必要です。
- しこりが急速に大きくなっている
- 発熱・強い痛みを伴う
- 顔面神経麻痺・難聴・めまいを伴う
- 1か月以上経過してもしこりが残る
- 体重減少・寝汗など全身症状がある
- 耳の裏の皮膚が赤く腫れ上がっている
「少し様子をみれば治るかもしれない」と自己判断して放置することは危険な場合があります。気になるしこりや痛みがある場合は、まず皮膚科または耳鼻咽喉科を受診し、専門家の診断を受けることが大切です。アイシークリニック新宿院では粉瘤や皮膚腫瘍の診察・日帰り手術にも対応しておりますので、耳の裏のしこりが気になる方はお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・脂肪腫・皮膚線維腫などの皮膚腫瘍の診断基準および治療ガイドラインに関する情報
- 国立感染症研究所 – 水痘・帯状疱疹ウイルスの感染・再活性化に関する情報(ラムゼイ・ハント症候群の病態・早期治療の重要性を含む)
- 厚生労働省 – リンパ節炎・乳様突起炎などの感染症に関連する疾患情報および帯状疱疹ワクチン接種推奨に関する公式情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
