春の訪れとともに、多くの人が経験する「疲れ目」。新緑が美しい季節であるにも関わらず、なぜか目の疲労感や不快感を感じることが多くなります。実は、春という季節特有の環境変化が、私たちの目にさまざまな負担をかけているのです。花粉の飛散、急激な気温変化、新生活による生活リズムの変化など、複数の要因が重なって目の不調を引き起こします。今回は、春の疲れ目について、その原因から効果的な対策まで詳しく解説します。

目次
- 春に疲れ目が増える理由
- 花粉症が目に与える影響
- 気温変化と目の健康の関係
- 新生活のストレスと疲れ目
- 春の疲れ目の主な症状
- 日常でできる疲れ目対策
- 生活習慣の見直しポイント
- 医療機関を受診すべき症状
- まとめ

この記事のポイント
春の疲れ目は花粉症・気温変化・新生活ストレス・紫外線増加が重なって起こる。20-20-20ルールや温湿布・室内加湿などのセルフケアが有効だが、2週間以上症状が続く場合は眼科受診が推奨される。
🎯 春に疲れ目が増える理由
春になると疲れ目を訴える患者さんが増加する現象は、眼科医にとって毎年恒例の傾向です。この現象には、春特有の環境的要因と社会的要因が複雑に絡み合っています。
まず、最も大きな影響を与えるのが花粉の飛散です。スギ花粉をはじめとする各種花粉が大量に飛散する春は、アレルギー反応によって目に炎症が起こりやすくなります。この炎症が慢性化することで、目の疲労感が蓄積していくのです。
次に、春の不安定な気候も疲れ目の原因となります。朝晩の気温差が激しく、湿度も変動しやすいこの時期は、目の表面を保護する涙液の安定性が損なわれやすくなります。涙液の不安定化は、ドライアイの症状を悪化させ、結果的に目の疲労を増加させます。
また、春は社会的にも変化の多い季節です。新年度の開始に伴う環境の変化、新しい仕事や学校生活への適応など、精神的なストレスが増加します。ストレスは自律神経のバランスを乱し、目の調節機能にも悪影響を与えることが知られています。
さらに、春になると日照時間が長くなり、紫外線の量も増加します。冬の間に弱くなった目の紫外線に対する抵抗力が、急激な紫外線の増加についていけず、目に負担をかけることもあります。
これらの複数の要因が重なることで、春は他の季節と比較して疲れ目を感じる人が多くなるのです。特に、もともとドライアイや眼精疲労の傾向がある人は、春の環境変化により症状が悪化しやすい傾向があります。
Q. 春に疲れ目が増える主な原因は何ですか?
春の疲れ目は、花粉症による目の炎症、朝晩10度以上の気温差による涙液バランスの乱れ、新年度の新生活ストレスによる自律神経の乱れ、そして冬より急増する紫外線の影響という複数の要因が重なって起こります。
📋 花粉症が目に与える影響
花粉症による目の症状は、単純なかゆみや充血にとどまらず、疲れ目の大きな原因となります。花粉が目に接触すると、免疫システムが異物と認識してアレルギー反応を起こし、ヒスタミンなどの炎症物質が放出されます。
この炎症反応により、結膜(白目の表面を覆う薄い膜)が腫れて充血し、大量の涙が分泌されます。しかし、このときに分泌される涙は正常な涙とは組成が異なり、目を十分に潤す機能が低下しています。そのため、涙が大量に出ているにも関わらず、目の乾燥感や不快感を感じることがあります。
花粉症の症状として現れる目のかゆみは、無意識のうちに目をこすったり、まばたきの回数を増やしたりする行動を引き起こします。目をこすることで角膜や結膜に微細な傷がつき、これがさらなる炎症や感染のリスクを高めます。また、頻繁なまばたきは眼筋の疲労を招き、疲れ目の症状を悪化させます。
さらに、花粉症による鼻づまりも間接的に目の疲労に影響します。鼻がつまると口呼吸が増え、室内の空気が乾燥している場合、目の周りの湿度も低下します。これにより、涙液の蒸発が促進され、ドライアイの症状が悪化することがあります。
花粉症の治療薬として使用される抗ヒスタミン薬の中には、副作用として口の渇きや目の乾燥を引き起こすものもあります。これらの副作用により、花粉症の治療中であっても目の不快感が続くことがあり、疲れ目の原因となる場合があります。
花粉症による目の症状は、通常の疲れ目とは異なる特徴を持っています。アレルギー性結膜炎による充血は比較的強く、目やにの量も多くなる傾向があります。また、症状の強さが花粉の飛散状況と密接に関連しており、気象条件によって日々変動するのも特徴的です。
💊 気温変化と目の健康の関係
春の特徴的な気温変化は、目の健康に多方面から影響を与えます。特に、朝晩の気温差が10度以上になることも珍しくない春の気候は、目の生理機能にさまざまな変化をもたらします。
気温の急激な変化は、まず涙液の産生と蒸発のバランスに影響します。気温が低い早朝や夜間は、涙腺の活動が低下し、涙の分泌量が減少します。一方、日中の気温上昇とともに涙液の蒸発速度が上がり、目の表面が乾燥しやすくなります。このような涙液バランスの不安定化は、目の疲労感や不快感を引き起こします。
また、気温変化は血管の収縮と拡張を繰り返させます。目の周りの毛細血管が気温変化に応じて収縮・拡張を繰り返すことで、血流が不安定になり、目の組織への酸素や栄養の供給が影響を受けます。これにより、目の筋肉の疲労回復が遅れ、疲れ目の症状が長引くことがあります。
春の湿度変化も見逃せない要因です。雨の多い日と乾燥した晴天の日が交互に訪れる春は、湿度が大きく変動します。湿度の低い日は、涙液の蒸発が促進されるだけでなく、室内のエアコンや暖房の使用により、さらに乾燥が進みます。逆に湿度の高い日は、雑菌の繁殖が活発になり、目の感染リスクが高まることがあります。
気圧の変動も春特有の現象です。低気圧と高気圧の通過が頻繁に起こる春は、体調を崩しやすい季節でもあります。気圧の変化は自律神経系に影響を与え、目の調節機能にも間接的な影響を与えることが知られています。特に、もともと自律神経の調節に問題がある人は、気圧変化により疲れ目の症状が悪化しやすい傾向があります。
さらに、春の紫外線量の増加も重要な要因です。冬の弱い紫外線に慣れた目が、急激に強くなる春の紫外線にさらされることで、光による刺激が疲れ目を引き起こすことがあります。特に、サングラスなどの紫外線対策を怠ると、角膜や水晶体にダメージが蓄積し、長期的な目の健康にも悪影響を与える可能性があります。
Q. 花粉症で涙が出ているのに目が乾燥するのはなぜですか?
花粉症で分泌される涙は、アレルギー反応によって組成が正常な涙と異なるため、目を十分に潤す機能が低下しています。そのため大量に涙が出ていても乾燥感や不快感が生じます。さらに無意識に目をこする行為が角膜を傷つけ、症状をさらに悪化させます。
🏥 新生活のストレスと疲れ目
春は新年度の始まりとともに、多くの人が環境の変化を経験する季節です。新しい職場、学校、人間関係など、さまざまな変化に適応しようとするストレスが、疲れ目の原因となることが少なくありません。
ストレスが目に与える影響は、主に自律神経系を通じて現れます。精神的なストレスは交感神経の活動を活発化させ、血管の収縮や筋肉の緊張を引き起こします。目の周りの筋肉が緊張すると、毛様体筋(ピント調節を行う筋肉)の働きも悪くなり、近くや遠くを見る際の焦点調節がうまく行えなくなります。これにより、目の疲労感が増加します。
新生活に伴う生活リズムの変化も重要な要因です。睡眠時間の変化、食事時間の不規則化、運動不足などは、全身の健康状態に影響し、間接的に目の健康にも悪影響を与えます。特に睡眠不足は、目の疲労回復を妨げ、翌日の目の不調につながります。
デジタルデバイスの使用時間増加も、新生活のストレスと関連した疲れ目の原因です。新しい仕事や学習環境では、パソコンやタブレット、スマートフォンの使用時間が増加することが多く、これによりVDT(Visual Display Terminal)症候群のリスクが高まります。長時間のデジタル画面を見続けることで、まばたき回数が減少し、目の乾燥や疲労が進行します。
また、新しい環境での照明条件の変化も見逃せません。職場や学校の照明が以前と異なる場合、目がその環境に適応するまでに時間がかかり、その間に疲労が蓄積することがあります。特に、照明の明るさが不適切だったり、画面への光の反射が強かったりする環境では、目への負担が大きくなります。
心理的なストレスは、涙液の分泌にも影響を与えます。強いストレス状態では、涙腺の機能が低下し、涙の量や質が変化することが報告されています。これにより、目の表面が十分に保護されず、乾燥や刺激に対する感受性が高まり、疲れ目の症状が現れやすくなります。
さらに、新生活のストレスは免疫機能にも影響を与えます。免疫力が低下すると、目の感染症にかかりやすくなったり、アレルギー反応が強く出たりすることがあります。これらの症状も、結果的に疲れ目や目の不快感につながります。
⚠️ 春の疲れ目の主な症状
春の疲れ目は、単純な目の疲労感だけでなく、さまざまな症状として現れます。これらの症状を正しく理解することで、適切な対処法を選択することができます。
最も一般的な症状は、目の重だるさや疲労感です。まぶたが重く感じられ、目を開けているのがつらくなります。この症状は、特に午後から夕方にかけて強くなる傾向があり、一日の活動による疲労の蓄積を反映しています。
目の乾燥感も春の疲れ目の代表的な症状です。涙が少なく感じられ、まばたきをしても目がすっきりしない状態が続きます。この乾燥感は、エアコンの使用が始まる春の室内環境や、花粉による炎症反応により悪化することがあります。
視力の変動も重要な症状の一つです。普段よりもピントが合わせにくくなったり、近くの文字がぼやけて見えたりすることがあります。これは、目の調節機能が疲労により正常に働かなくなるためで、特にデジタルデバイスを長時間使用した後に現れやすい症状です。
目の充血や赤みも春の疲れ目でよく見られます。血管が拡張することで白目が赤く見え、見た目にも疲れた印象を与えます。花粉症が原因の場合は、充血がより強く現れ、かゆみを伴うことが多いです。
光に対する過敏性(羞明)も春の疲れ目の特徴的な症状です。普段は問題ない明るさの光でも眩しく感じられ、目を細めたり手で遮ったりする必要が生じます。これは、目の疲労により光に対する調節機能が低下することが原因です。
頭痛や肩こりなどの全身症状も、春の疲れ目に伴って現れることがあります。目の疲労は、首や肩の筋肉の緊張を引き起こし、これが頭痛や肩こりの原因となります。特に、デスクワークが多い人では、これらの症状が顕著に現れる傾向があります。
集中力の低下や倦怠感も、春の疲れ目に関連した症状です。目の不調により、読書や細かな作業に集中することが困難になり、仕事や学習の効率が低下します。また、全身の疲労感も増し、日常生活に支障をきたすことがあります。
涙の異常も注意すべき症状です。涙が出すぎる場合もあれば、逆に涙が出にくくなる場合もあります。また、涙の質が変化し、粘性が高くなったり、目やにが増加したりすることもあります。これらの症状は、涙腺や涙液の機能に異常が生じていることを示しています。
Q. 春の疲れ目に効果的なセルフケアを教えてください。
春の疲れ目には「20-20-20ルール」が有効で、20分ごとに約6メートル先を20秒見ることで調節筋を休ませます。また40度程度の温湿布を閉じた目に5〜10分当てると血行が改善されます。室内湿度を50〜60%に保つことも、涙液の蒸発を防ぐうえで重要です。
🔍 日常でできる疲れ目対策
春の疲れ目を予防・改善するために、日常生活で実践できる対策をご紹介します。これらの対策は、症状の軽減だけでなく、目の健康維持にも効果的です。
まず最も重要なのは、適切な休息の取り方です。デジタル画面を長時間見続ける作業では、20-20-20ルールを実践しましょう。これは、20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)以上離れた場所を見るというルールです。この短時間の休息により、目の調節筋をリラックスさせることができます。
意識的なまばたきも効果的な対策です。画面を見ているとき、無意識にまばたきの回数が減少します。意識してゆっくりと完全なまばたきを行うことで、涙液を目全体に行き渡らせ、乾燥を防ぐことができます。1時間に数回、10回程度の意識的なまばたきを心がけましょう。
室内環境の調整も重要です。エアコンの風が直接目に当たらないよう風向きを調節し、加湿器を使用して適切な湿度(50-60%)を保つことが大切です。また、照明は明るすぎず暗すぎない適切なレベルに調整し、画面への反射を避けるため、光源の位置にも注意が必要です。
目の周りのマッサージも疲労回復に効果的です。清潔な指で、目の周りを優しく円を描くようにマッサージしたり、眉毛の下の骨に沿って軽く押したりすることで、血行を改善し、筋肉の緊張をほぐすことができます。ただし、強く押しすぎないよう注意が必要です。
温湿布の使用も有効な対策の一つです。清潔なタオルを40度程度のお湯で温め、軽く絞ってから閉じた目の上に5-10分間置きます。温かさにより血行が促進され、涙腺の機能も改善されます。使用するタオルは清潔なものを用い、温度が高すぎないよう注意しましょう。
目薬の適切な使用も疲れ目の軽減に役立ちます。防腐剤フリーの人工涙液や、疲れ目用の目薬を使用することで、目の乾燥や疲労を軽減できます。ただし、目薬の使いすぎは逆効果となることもあるため、1日4-6回程度の使用にとどめることが推奨されます。
ブルーライト対策も現代では欠かせません。ブルーライトカットメガネの着用や、デバイスのブルーライト軽減機能の活用により、目への負担を軽減できます。特に夕方以降の使用では、睡眠の質の向上にも効果が期待できます。
花粉症対策も春の疲れ目予防には重要です。外出時のメガネやサングラスの着用、帰宅時の手洗い・洗顔、室内の花粉除去などにより、アレルギー反応を最小限に抑えることができます。また、洗眼を行う場合は、清潔な水や生理食塩水を使用し、強くこすらないよう注意しましょう。
📝 生活習慣の見直しポイント
春の疲れ目を根本的に改善するためには、日常の生活習慣を見直すことが重要です。目の健康は全身の健康状態と密接に関連しているため、総合的なアプローチが必要です。
睡眠の質と量の確保は、目の健康維持において最も重要な要素の一つです。睡眠中に目の疲労が回復し、涙腺や目の組織の修復が行われます。7-8時間の十分な睡眠時間を確保し、規則正しい睡眠リズムを維持しましょう。また、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控えることで、睡眠の質も向上します。
バランスの取れた栄養摂取も目の健康に大きく影響します。特に、ビタミンA、C、E、オメガ3脂肪酸、ルテイン、ゼアキサンチンなどは目の健康に重要な栄養素です。緑黄色野菜、魚類、ナッツ類、卵などを積極的に摂取し、偏った食事は避けましょう。また、十分な水分摂取により、体全体の水分バランスを保つことで、涙液の産生にも良い影響を与えます。
適度な運動習慣も目の健康維持に効果的です。運動により全身の血流が改善され、目への栄養供給も向上します。特に、首や肩の運動は、デスクワークによる筋肉の緊張をほぐし、目の疲労軽減に直接的な効果があります。ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で継続することが大切です。
ストレス管理も重要な生活習慣の一つです。慢性的なストレスは自律神経のバランスを乱し、目の調節機能に悪影響を与えます。リラクゼーション法、瞑想、趣味の時間確保など、自分に合ったストレス解消法を見つけ、定期的に実践しましょう。
作業環境の最適化も生活習慣の重要な要素です。デスクの高さ、椅子の高さ、モニターの位置などを適切に調整し、長時間の作業でも疲労が蓄積しにくい環境を作りましょう。モニターは目線より少し下に配置し、画面との距離は50-70センチメートルを保つことが推奨されます。
定期的な目の健康チェックも欠かせません。年に1回は眼科検診を受け、視力の変化や目の疾患の早期発見に努めましょう。特に40歳以降は、緑内障や白内障などの疾患のリスクが高まるため、より頻繁な検診が推奨されます。
禁煙と適度なアルコール摂取も目の健康に影響します。喫煙は血流を悪化させ、目への栄養供給を阻害します。また、過度なアルコール摂取は脱水を引き起こし、涙液の産生に悪影響を与える可能性があります。これらの生活習慣を見直すことで、目の健康維持に大きな効果が期待できます。
紫外線対策の習慣化も重要です。春になり紫外線量が増加する中、サングラスや帽子の着用を習慣化することで、長期的な目のダメージを予防できます。特に屋外活動が多い人は、UV400カットのサングラスを選択し、継続的に使用することが推奨されます。
Q. 疲れ目でいつ眼科を受診すべきですか?
セルフケアを2週間続けても改善しない場合や、視力が急激に変化した場合、黄緑色・膿性の目やにが出る場合は眼科受診が必要です。特に激しい頭痛や吐き気を伴う目の痛みは急性緑内障発作の疑いがあり、緊急受診が求められます。日常生活に支障が出た際も早めの相談を推奨します。
💡 医療機関を受診すべき症状
春の疲れ目の多くは適切なセルフケアで改善できますが、中には専門的な治療が必要な場合もあります。以下のような症状が現れた場合は、眼科での診察を受けることをお勧めします。
まず、症状が長期間継続する場合は注意が必要です。適切なセルフケアを2週間程度継続しても症状が改善しない場合や、症状が悪化している場合は、単純な疲れ目以外の原因が考えられます。ドライアイ症候群、眼精疲労症、または他の眼疾患の可能性があるため、専門医による診断が必要です。
視力の急激な変化や持続的な視力低下も、immediate attention が必要な症状です。普段と比べて明らかに見えにくくなった場合、片目だけの視力低下がある場合、視野の一部が欠けて見える場合などは、重篤な眼疾患の可能性があります。これらの症状は緊急性が高い場合もあるため、速やかな受診が推奨されます。
強い目の痛みや頭痛を伴う場合も受診が必要です。特に、光を見ると痛みが増強する場合や、吐き気を伴う激しい頭痛がある場合は、急性緑内障発作の可能性があります。この場合は緊急事態であり、immediate medical attention が必要です。
目やにの性状に変化がある場合も注意が必要です。黄緑色や膿性の目やにが大量に出る場合、血液が混じった目やにが出る場合などは、細菌感染や他の感染症の可能性があります。また、目やにのために朝起きたときに目が開かない場合も、医療機関での治療が必要です。
異物感や違和感が持続する場合も受診を検討しましょう。目に何かが入っているような感覚が続く場合、目をこすっても改善しない違和感がある場合は、角膜に傷がついている可能性や、実際に異物が残っている可能性があります。無理に取ろうとすると悪化することがあるため、専門医による処置が安全です。
光の見え方に異常がある場合も重要な症状です。光がにじんで見える、光の周りに虹のような輪が見える、暗い場所から明るい場所への適応が極端に悪い場合などは、緑内障や白内障などの疾患の初期症状の可能性があります。
全身症状を伴う場合も注意が必要です。目の症状と同時に、発熱、皮疹、関節痛などの全身症状が現れた場合は、全身性の疾患による目の症状の可能性があります。このような場合は、眼科だけでなく内科での診察も必要となる場合があります。
既往歴がある人の症状悪化も見逃せません。糖尿病、高血圧、自己免疫疾患などの既往がある人で目の症状が現れた場合は、基礎疾患による合併症の可能性があります。また、過去に目の手術を受けたことがある人、強い近視がある人なども、症状が現れた場合は早めの受診が推奨されます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では春になると疲れ目を訴える患者さまが明らかに増加しており、記事で述べられている花粉症と新生活のストレスによる影響は確かに大きな要因だと感じています。特に最近はテレワークやデジタル機器の使用時間増加により、従来の春の疲れ目に加えて眼精疲労の症状が重複する方が多く見受けられます。症状が2週間以上続く場合や日常生活に支障をきたすようでしたら、単なる疲れ目ではなくドライアイや他の疾患の可能性もあるため、早めにご相談いただければと思います。」
✨ よくある質問
春の疲れ目には複数の原因があります。花粉症による目の炎症、朝晩の気温差による涙液バランスの不安定化、新生活のストレス、紫外線量の増加などが重なって起こります。特に花粉が飛散することでアレルギー反応が起き、目の疲労感が蓄積されやすくなります。
花粉症による涙は正常な涙とは組成が異なり、目を十分に潤す機能が低下しているためです。また、結膜の腫れや炎症により涙液の安定性が損なわれ、大量に涙が出ていても目の乾燥感や不快感を感じることがあります。無意識に目をこすることも症状を悪化させます。
20-20-20ルール(20分ごとに20秒間、6メートル以上離れた場所を見る)の実践や、意識的なまばたき、目の周りの優しいマッサージが効果的です。また、40度程度の温かいタオルを5-10分間目の上に置く温湿布や、室内湿度を50-60%に保つことも症状改善に役立ちます。
セルフケアを2週間続けても改善しない場合、視力の急激な変化、強い目の痛みや頭痛、黄緑色や血液が混じった目やに、光がにじんで見える症状がある場合は眼科受診が必要です。特に激しい頭痛と吐き気を伴う場合は緊急事態の可能性があるため、速やかな受診が推奨されます。
7-8時間の十分な睡眠確保、緑黄色野菜や魚類を含むバランスの良い食事、適度な運動によるストレス管理が重要です。また、デスクワーク環境の最適化(モニターを目線より下に配置、50-70cm離す)、禁煙、紫外線対策としてのサングラス着用も効果的な予防策となります。

📌 まとめ
春の疲れ目は、花粉症、気温変化、新生活のストレスなど、複数の要因が複雑に関わり合って発症します。これらの要因を理解し、適切な対策を講じることで、症状の予防や軽減が可能です。
日常的にできる対策として、デジタル画面の適切な使用方法、室内環境の調整、目の周りのマッサージ、温湿布の利用などが効果的です。また、生活習慣の見直しとして、十分な睡眠、バランスの取れた栄養摂取、適度な運動、ストレス管理などが重要です。
ただし、症状が長期間続く場合や、視力の変化、強い痛み、異常な目やになどの症状が現れた場合は、セルフケアだけでは不十分です。このような場合は、速やかに眼科専門医による診察を受けることが重要です。
春は新しい始まりの季節ですが、同時に目にとっては負担の多い季節でもあります。適切な知識と対策により、快適な春を過ごし、目の健康を維持していきましょう。定期的な眼科検診も忘れずに受け、目の健康管理を継続的に行うことが、長期的な視力維持につながります。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 健康づくりに関する情報提供ページ。目の健康管理、疲れ目予防、生活習慣と健康の関係についての公的見解を参照
- 日本眼科学会 – 眼精疲労に関する専門的情報。春季の目の不調、ドライアイ、VDT症候群などの症状・原因・治療法について眼科専門医の見解を参照
- 国立感染症研究所 – 花粉症の疫学情報と健康影響。スギ花粉をはじめとする花粉の飛散状況と健康への影響、アレルギー性結膜炎のメカニズムについて参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
